アジア映画巡礼

アジア映画にのめり込んでン十年、まだまだ熱くアジア映画を語ります

見てきました、シャー・ルク・カーンの『Pathaan(パターン)』さん

2023-02-27 | インド映画

やっと見に行くことができました、シャー・ルク・カーンの『パターン』さん。今日も友人の家に行ったり、別の友人と待ち合わせて日本におけるインド映画資料4年分を渡したりと、いろいろ用事があったのですが、夕方無事終わったのでスマホで検索し、えいやっ! とばかり見に行くことに。今日からはスマホにウーバーのアプリを入れたので、すぐに呼び出して来てもらえます。ウーバーは4年前より少し性能がアップしたみたいで、使いやすくなっていました。たとえば、乗車場所がどこか、というのも、今立っている地点の周囲にあるランドマークをずらっと示してくれるので、それを選択するだけで済みます。以前は、えーと、どこだとわかりやすいかな、と周囲をうろうろしてから場所を書き込んだりしていたのですが、楽になりました~。

今回見たのは、アンデーリーで国鉄とまじわるメトロの終点、ガートコープカルの近くにあるフェニックス・マーケット・シティというモールにあるPVR。老舗のシネコンで、シネコン・チェーンが群雄割拠状態だったのは昔の話、今やPVRとINOXがツートップスで他を飲み込みつつある、という感じです。チケット売り場で聞くと料金は112ルピーとのことですごく安い! まさか、「州政府推薦映画」とかになって娯楽税が免除になったりしたんじゃないでしょうね? それで200ルピー札を出したのですが、「おつりがない」と言うではありませんか。「12ルピー出したら100ルピーのおつりをもらえる?」「いや、そもそも現金がないんです。カードはありませんか?」驚くべきキャッシュレス世界に、庶民の娯楽もなっていました。今やインドでは、携帯とクレカのない人は生きていけない感じです。で、クレカの処理が済んだところでチケットをくれるかと思ったら、「カメラを出して」と言われました。は? ここで持ち物チェック?? とスマホとカメラを出したら苦笑いされて、スマホだけ取り、チケットの出ている画面をパチリ。下がそれですが、そこにスクリーン番号、座席番号も書いてあって、チケットがあなたのスマホの中に、というわけなのでした。

その前に座席を選んだんですが、「端っこの席にしてね」ときつく言ったのに、実際の席は真ん中寄り。その方が見やすいいい席だから、という判断で、変えられてしまいました。この、スマホで撮って何でも保存、というのは今やインドの常識みたいで、今日おいしい昼ご飯を食べさせてもらったインド映画研究家にして字幕翻訳者でもあるナスリーン・ムンニー・カビールからも、例えば本を見せられて「あ、私も買おう」というと「表紙をスマホで撮っておけば?」、いい本屋さんのウェブ紹介を見せてくれたので、店名と住所をメモろうとしたら、「この画面、撮っておけばいいじゃない」とか言われました。スマホは、スキャナー兼コピー機なんですね。しかし、映画のチケットがなくなるのは悲しいなあ。まあ、最近のシネコンのプリンタ印字は、年月が経つと消えてしまうのでコレクションの対象にならないんですけどね。そうそう、ナスリーンは『パターン』の英語字幕も担当したそうです。監督はじめ映画人からも信頼が厚いので、いっぱいヒンディー語映画の英語字幕を頼まれるようでした。

さて、その後は、チケットの座席を勘違いした私が端の席に座っていて、あとから来た方に「そこは私の席なんですけど」と言われて謝って移動する、等々ドタバタがありましたが、やっときれいな大画面で『パターン』を見ることができました。詳しいストーリーを知りたい人は、英語版Wiki『Pathaan』を見てくださいね。あらためて見たこのシャー・ルク・カーン、ディーピカー・パードゥコーン、ジョン・アブラハム主演映画ですが、出来は...「フツー」でした。すごいアクションシーンはあるものの、デジャブを覚えるシーンも多く、また、『WAR ウォー!!』みたいに主人公役が二人とも身体能力が抜群に高く、それだけで見応えがある、というわけでもなく(シャー・ルクもディーピカーもがんばってはいるのですが、やはり「フツー」の域を出ず。ジョンもこれと言って見せ場はありませんでした)、というわけで、見ていて楽しいもののただそれだけ、という感じ。

では、なぜこんなにヒットした、いや、ヒットしているのか。ナスリーンの説は、「それは我らがキング・カーン、シャー・ルク・カーンが戻ってきた、という興奮と、サルマーン・カーンと二人での魅力よ」とのことで、事実この日もサルマーンの登場シーンには場内が沸いていました。公開直後は、シャー・ルクの登場シーン、サルマーンの登場シーン、二人でのアクションシーン、そしてソング&ダンスシーンで場内は沸きに沸いていたそうです。「みんな、踊ってたわよ」とはナスリーンの話ですが、さすがに公開1ヶ月となるとね。でも、大画面で見ると、シャー・ルクの様々な表情はとってもステキで、4年余りのブランクもすぐに消えてしまいました。

そして、私はオーラスを楽しみに待ち受けていたのですが、その前のエンドクレジットが出始めると、次々と帰る人が。えー、オーラスに最高のシーンがあることを知らないの??? お子さん連れの方は仕方ないとして、最後まで席に座っていたのは私のほか3,4人で、ひょっとしてラストシーンは削られた? とか心配したほどでした。ちゃんとありましたよ、「俺たちももう30年やってるからなあ」のシーン。「まだまだ引退できないな」という最後の言葉通り、これからもスーパースターとしていい作品をいっぱい作っていって下さいね。

最後に、この上映では字幕は出ていなかったのですが、英語字幕の翻訳者ナスリーンと、ごちそうしてくれたお昼ご飯の様子をどうぞ。ナスリーンには我々と同じ年頃の通いのお手伝いさんがいて、それはそれは料理上手なのですが、「最近は年のせいかあまり料理してくれなくなった」と言っていたのであきらめていたところ、こんなおいしいお料理をいただける幸運に恵まれました。右から、豆と他の野菜のいためもの、ほうれん草入りダール、そしてシンプルな炊き込みご飯です。旅先で家庭の味が賞味できるなんて、最高ですね。明日からもがんばろう~。

 


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