昨夜遅く無事に日本に帰り着きました。終電を乗り継いで家に到着したのが本日の午前1時30分。香港国際空港には約10時間いたことになり、入国審査前に翠華レストランで2時間余り、台風で揺れる外の木を見ながらチェックイン・カウンター手前の椅子で2時間余り、入国審査後にまた中の翠華レストランで2時間余りと、いろいろに時間を潰してやっと飛行機に乗り込みました。台風が香港よりは少し南側を通過したので、香港での被害はそれほどなかったようです。下は、午後4時半ぐらいの香港国際空港です。
帰り着いてみれば、何と言う蒸し暑さ! 今日も昼間は結構風があったのですが、夜はすごく蒸し暑いですね。そんな中、アジアフォーカス・福岡国際映画祭事務局から、オープニングの上映作品決定のニュースが届きました。何と、シンガポールで見てきたばかりのディック・リー自伝映画『ワンダー・ボーイ・ストーリー』です。「共同監督であるディック・リー氏が来福、オープニングセレモニー、オープニング上映に登場します!」とのことなので、きっと舞台挨拶では「♫フライドライス・パラダイス~♫」と歌ってくれるのではないかと期待できます。ディック・リーのファンの皆さん、さあ福岡に飛びましょう! オープニング・セレモニーと上映は、9月15日(金)午後8時からです。
本作品の拙ブログでの紹介はこちらで、手放しで誉めていなくて申し訳ありませんが、いち早く目を付けて下さるとは、さすがアジアフォーカス・福岡国際映画祭、というところです。この『ワンダー・ボーイ・ストーリー』のほか、いくつか上映作品もふえていますので、ぜひ映画祭のHP「上映作品」を再度チェックなさってみて下さい。
ついでにシンガポール・ネタをちょっと書き足しておくと、久しぶりにキャセイの記念館にも行って来ました。この「キャセイ」は航空会社とは別物で、詳しくは拙著「アジア・映画の都 香港~インド・ムービーロード」(めこん、1997)を読んでいただければと思いますが、映画会社キャセイ発祥の地には記念館というか展示スペースがキャセイ・ビルの中に設けられているのです。久しぶりに行ったら、展示が一段と豪華になっていました。
で、何の気なしに上の下2枚の写真を撮っていたら、受付のおじさんが飛んできて「写真撮影は禁止だよ! すぐに撮った写真を消去しなさい」と言われてしまいました。「えー、気がつかなくてすみません。最初のは外から撮ったし、この2枚なんですけど...」とかだんだん話しているうちに、おじさんの態度が軟化してきて、「私は朱國良夫人の運転手だったんだよ。20年ぐらい働いて、リタイアしたあとこちらに回されたんだ」とか、いろいろお話をしてくれるようになりました。キャセイの創設者とも言うべき陸運濤(ロク・ワントー)は、1964年6月に台湾で開かれたアジア・太平洋映画祭に参加中、航空機事故で亡くなるのですが、そのあとをやむなく継いだのが妹の夫であった朱國良で、さらにその後は朱國良の娘朱美蓮(メイリーン・チュー)が継承し、今もキャセイはシンガポールで映画配給と製作を続けている、というわけです。受付のおじさんの話によると、現在はメイリーン・チューの娘さんがあとを引き継ぐべく修業中だそうで、そのうち彼女が采配をふるうようになるだろう、ということでした。
それで思い出したので、「2年前の映画『新四千金』はDVDは出ていないのですか?」と聞いてみたら、おじさんはその映画を見ていないそうで、「えー、見ないとダメですよ。あなたと同じような、キャセイのミュージアム担当者の人が主人公なんですから」と言ったのですが、キャセイが職員を集めて上映会をやったりはしなかったのだな、とちょっとがっかりでした。『新四千金』については、こちらで紹介してあります。ま、そんな風に話し込んだりしたので、最後には「写真を撮るならスマホでこっそり撮ればいいよ。監視カメラに写るとまた問題にされるから、気をつけてね」ということまで教えてもらい、記念館をあとにしたのでした。とても謙虚なおじさんで、名前も教えて下さらず、写真も固辞されました。
ところでディック・リーの『ワンダー・ボーイ・ストーリー』は、シンガポール滞在中いろんな所でポスターを見たり、音楽が流れているのを聞きました。上の写真は、あるレストランでタイアップのメニューを出しているお知らせで、こんな努力もあってか結構ヒットしているようでした。CDがないかなあ、と捜したのですが、CDを売っている場所自体が発見できず、あえなく敗退。劇中歌のMVを付けておきますので、これで楽しんで下さいね。
WONDER BOY Music Video - Fried Rice Paradise