ヒラニ監督のご挨拶が終わったところで、いよいよゲストの登場です。まず、『ALWAYS 三丁目の夕日』(2005~)シリーズや『寄生獣』(2014~)シリーズでお馴染みの山崎貴監督。私が特に憶えているのは、金城武が主演した『リターナー』(2002)なんですが、とても52歳とは思えない若々しい山崎監督が舞台に登場しました。がっつりとヒラニ監督と握手した後、山崎監督から花束が贈られます。
続いて、女優の壇れいさん。登場したとたん、場内がぱあっと光りに満ちるような、そんな感じの女優さんでした。
そしてやはり、ヒラニ監督に花束を贈る壇れいさん。
続いて3人でのフォトセッション。ヒラニ監督が花束を置こうとして戸惑っていたら、司会者の方から「花束はそのままで」と指示が飛びました。インドでは、花束がフラット(紙の上に花を置いていき、その上からセロファンをかけるというアレンジフラワー)なせいもあって、もらってもすぐ台の上に置いてしまったり、スタッフが預かるのが普通なんですよ~。こういう習慣の違い、ちょっと盲点でしたね。
ゲストのご挨拶は、まず山崎監督から。「僕は前作の『きっと、うまくいく』が好きで、いろんな所でオススメ映画を聞かれるといつもこの映画を挙げているんですが、『PK』は昨日見せていただきました。この作品も本当に素晴らしくて、監督ご本人に会えて光栄に思ってますし、嬉しいです。ご本人もすごく映画に似ているというか、映画通りの方で、親しみやすくて感激しています」
続いて壇れいさん。「私も『きっと、うまくいく』と『PK』を見せていただいて、本当に感激しました。先ほどもバックステージで監督にお目に掛かったんですが、何かまだ『PK』を見た興奮が残っていて、隣に監督がいらっしゃる、その向こうに山崎監督がいらっしゃると思うと、心が落ち着かない状況です。変なこと言ったらごめんなさい」
続いては、お二人に『PK』の感想を話してもらうことに。山崎監督は、「ほんっと、面白かったですね。なかなか心から”やられたな!”というのは同業者としてバリアを張っていて、簡単には思わないようにしているんですが、気がついたら泣いてました。会社で見ていたのですが、泣いているところをスタッフに見られまして、”なに泣いてんすか、監督”とからかわれました。あと、伏線の回収に関して素晴らしい技をお持ちの監督だと思っていますが、昨日も、これは伏線に違いない、この伏線には騙されないぞと思いながら見ていたのに、結果的に完全に映画の世界に飲み込まれてしまいました。伏線に次々とやられて泣き続ける、という状態だったんです。その監督に今日お目にかかれるなんて、まだ昨日の興奮がさめやらぬ状態です」
壇さんも「私もまだまだ興奮していて...」と言葉がスムーズに出てこない感じです。
「思い出したら涙が出てくるというか...。感情がとっても忙しかったです。クスッと笑ったり、ハラハラさせられたり、何が起こるんだろうとドキドキしたり。それと、PKのまっすぐな心を愛おしく思ったり...。最後の最後には流れる涙を止めることができませんでした。映画の力のすごさを再認識させていただきました。たくさんの方に『PK』を見ていただきたいなと思っています」
これに対し、ヒラニ監督は「そう言っていただくと、本当に光栄に思います。特に、同業の監督の方にそう言っていただけると、とても光栄です。私も昨日、山崎監督の作品のDVDをもらい、予告編を何本か見せていただいたのですが、インドに持ち帰って、日本の素晴らしい監督の作品だと言って紹介しようと思います。特に、CGを使いながらもヒューマンストーリーとして成立している点がすばらしく、帰国後に見るのを楽しみにしています」
「それから、壇れいさんですが、こんなにも美しい方ということから、日本で映画を撮るとしたらぜひ主演をお願いしたい。ラブストーリーで、インドからやって来た男性と日本の女性が恋に落ちるという物語にしましょう。その時には、私は監督ではなくて、俳優として出演したいですね」(笑)
「いやいや、本気でお聞きしたいです。私の映画に出演して下さいますか?」
壇さんのお返事は、「踊りの練習をしておきます」(笑)でした。元タカラジェンヌですから、実力は十分ですよね。すかさずヒラニ監督、「約束しましたよ」と押しの一手。
そして、「同じ監督として、ヒラニ監督の魅力はどんなところですか?」という質問が司会者から山崎監督に振られます。「やっぱり、伏線が回収されるところですね。そこで、見ているお客さんが勇気づけられるというか、前向きに生きていこうという気持ちになるわけです。エンターテインメントの映画として、素晴らしい姿をしていると思います。エンターテインメントとして楽しんだ後で、大事なものがそこに残るというか、エンターテインメントの映画がやるべきことを完璧に成し遂げているんですね。しかも、これだけのクオリティのものを2作続けて、というのは尊敬します」
その後、壇さんには、インドの女優さんに関するコメントが求められました。「インドの女優さんはとても魅力的でステキですね。特に今回のアヌシュカ・シャルマさんは、チャーミングではつらつとしていて、お芝居をしているとグッと引き込まれますが、ナンバー(ソング&ダンス・シーン)の所になると、歌を歌ってステップを踏んでということでより彼女の魅力が増します。キラキラとした、女性としての魅力が全面に溢れていました」
ここでそろそろ時間もなくなり、チノイ大使も加わってフォトセッションに。
やはり檀れいさんが一番慣れていて、「あちらのカメラを見ましょう」という感じでこんなシーンも。テレビカメラも5台ぐらい入っていたのですが、スチールカメラが終わるとムービーの番になり、「はい、手を振って下さい」とこんなかわいい仕草に。
フォトセッションが終わると、大使とゲストのお二人は姿を消し、そしてこれからの『PK』ジャパン・プレミアのために、ヒラニ監督から皆様へのご挨拶がありました。
「この映画は宗教に関する映画だと先ほど言いましたが、これからご覧になる皆さんには詳しいことは申し上げないことにします。とにかく皆さんが映画を楽しんで下さることを心から願っています」そして、関係者の皆さんへの謝辞が語られ、ヒラニ監督の記者会見は終わったのでした。
このあと、『PK』を見て下さった方のコメントが、早くもアップされ始めています。中国語圏映画を中心に、最近は欧米映画までよく見ている浦川とめさんのコメントはこちら。これからの皆さんの感想が楽しみですね。
で、私は『PK』を見ないで、「キネマ旬報」さんの要請でヒラニ監督の個別インタビューに。宣伝担当の方が1時間も配分して下さっており、聞きたいことがいーっぱい聞けました。詳しくは、多分10月20日号の「キネマ旬報」に載るインタビュー記事を読んで下さいね。ホテルでのヒラニ監督は、こんな感じでした。
でも、ちょびっとだけ漏らすと、監督を驚かせた質問がありまして、「あのジェージュリーのお祭りのシーンでは」と言った途端、「何でジェージュリーなんて知っているの!?」。そこで、このブログで質問を投げかけたところ、コメントで教えて下さった方がいた、というお話をしました。あの折ご教示下さった方、本当にありがとうございました。
ヒラニ監督は今日はオフだったのですが、「恵比寿大作戦」もあって、楽しい1日になったのでは、と思います。戻ると次作の準備が待っていて、来年に入ると撮影が始まるそうです。どんな映画なのか、ですって? えー、PKならぬRKが関係する作品、とだけ言っておきましょう。インドのサイトにはすでにニュースも出ているので、探してみて下さいね。
『PK』の公式サイトはこちらです。ツイッターを見ていくと、「恵比寿大作戦」の様子が登場します。公開日まであと3ヶ月。ヒラニ監督、来日して下さって本当にありがとうございました!!!!!
こんなに開かれたイベントだとわかっていたら仕事を休んででも行ったのに・・・。みなさん、どこでそういう情報を入手されるのでしょう。空港だって行きたかったな。
もしアーミルが来日しても、情弱の私はチャンスを逃しそうです。
ゲストがとにかく明るいあの人ではなく、世界に通じる美しい人で良かったです。ぜひヒラニ監督の映画に出演してキレッキレのダンスでインド映画界を騒然とさせていただきたいですね。
監督が来日してたなんて、ビックリです‼︎‼︎
それだけ力を入れているのですね。
それから、cinetamaさんが監督にインタビュー、凄い〜🎵
キネマ旬報楽しみにしています💗
3つ目の驚きは、監督が恵比寿に来てたことです。
職場が恵比寿なので、知っていたら会いに行けたのに〜会いたかったです…
さらに注目度が高くなったPK、みんなで盛り上げていきましょう*\(^o^)/*
そして、以前の”Jejuri”ご教示も、改めて御礼申し上げます。
今お名前のところのリンクで、「PKを待ちながら」のブログに飛んだのでビックリしました。
最初のコメントではリンクが貼ってなかったので、どなたか全然わからず...というわけで失礼しました。
さすが、と思ってしまいました。
監督の来日を機に、『PK』布教のためにさらにがんばって下さることを願っています~。
実は、今回の来日記者会見とジャパン・プレミアは、「開かれたイベント」ではなく、マスコミ関係者だけの非常にクローズドなイベントで、大使館という場所の関係もあって、普段の来日ゲスト記者会見以上にセキュリティが厳重でした。
招待されて「出席」と返事した人本人しか入れないので、「友達連れてきました~」なんていうのはもち非常識、というわけで、おいでになってもお入りになれなかったと思います。
ただ、以前シュリデヴィの来日イベントが同じく大使館で行われた時は、事前に聞きつけたファンの方が門前に立っていらして、それを見たシュリデヴィが、「あの方たちも入れてあげて」と言ってくれてお入りになれた、というケースもあります。
まあ、その辺がインドですね(笑)。
こういう会見に出席なさりたければ、報道の側に身を置かれることが一番です。
手っ取り早いのは、強力な(かつ真面目な)ブログを作ってしまうことで、それで名前が売れれば取材申し込みができます。
あるいは、フリーランスのジャーナリストとして、どこかと契約しながらインド映画の紹介を続ける、という手もあります。
このブログも、日々アクセスが500~600というミニコミですが、地道にアジア映画の取材を続けているので、こういう機会にはお声を掛けていただけます。
というわけで、弱小ミニコミながら出席させていただいた者の使命として、早速こういう記事をアップしたわけです。
玻璃さんは熱心で、勉強家でいらっしゃるし、今、インド映画には優れた書き手が不足している、という事情があるので、がんばってジャーナリストに、というのはいかがですか?
ご一考下さい。
お仕事場が恵比寿なのですか。
それは残念ですね。
私もツイッターのアカウントは持っていないのですが、『PK』の公式サイトからツイッターとFBをいつもチェックしているので、「恵比寿大作戦」のことも知りました。
ちょっと現場では混乱もあったらしく、大変だったようですが、これで居合わせた皆様がいろいろ発信して下さると、宣伝の助けになると思います。
おっしゃる通り、インド映画ファン全員で盛り上げなくちゃ、ですね。