アジア映画巡礼

アジア映画にのめり込んでン十年、まだまだ熱くアジア映画を語ります

スペース・アーナンディ/インド映画連続講座第Ⅲ期「グローバル化を読む!」最終開催のご案内

2019-09-28 | インド映画

今週は「ナマステ・インディア」ですが、来週の土曜日はスペース・アーナンディ/インド映画連続講座第Ⅲ期の最終回となります。テーマは「インド映画を読む!<第5回>グローバル化を読む!」で、インド映画のグローバル化について、多方面から検証していきます。

例えば、独立後最も早く海外ロケをした作品は、シャンミー・カプール(ラージ・カプールの弟。「インドのエルヴィス」と言われたほどダンス姿がセクシーだった)主演の『Singapore(シンガポール)』(1960)と言われていますが、この作品ではシャンミー・カプールの相手役としてパドミニーのほかマリア・メナドが登場します。マリア・メナドは当時シンガポールで製作されていたマレー語映画の人気スターで、インド人監督B.N.ラオが撮って大ヒットとなった『Pontianak(ポンティアナク/空飛ぶお化け女)』(1957)の主演女優としても知られています。下の『Singapore』のソング&ダンスシーンでは、今はなきタイガーバーム・ガーデンで歌い踊るマリア・メナドとシャンミー・カプールの姿が見られます。

Dekho Ji Dekho | Lata Mangeshkar | Singapore | Shankar Jaikishan | Shammi Kapoor

♫ジーワン・メーン・エーク・バール・アーナー・シンガポール♫(人生で一度はいらっしゃい、シンガポールへ)の歌に乗せて、グローバル化するインド映画の世界へどうぞ。

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スペース・アーナンディ/インド映画連続講座第Ⅲ期

「インド映画を読む!」

<第5回>グローバル化を読む! 

 スペース・アーナンディでは、毎年1つのテーマで行う「インド映画連続講座」を開催中ですが、第Ⅲ期は「インド映画を読む!」と題して、インド映画を深く読み込むための様々なトピックスを取り上げています。「ジェスチャーを読む!」、「カーストと宗教を読む!」、「地理を読む!」、「歴史を読む!」と続いたこのシリーズもいよいよ最終回、<第5回>は「グローバル化を読む!」です。

 インド映画は作られ始めた当初から海外に輸出され、グローバルな存在の映画として育ってきました。その背景には、「印僑」と呼ばれていた海外在住インド人の存在があったわけですが、さらには当時の英領インドがヒンドゥー教文化を基盤として、イスラーム教、キリスト教などの各文化が混在する、多様な社会であったことが挙げられます。インド映画は、まさに世界の縮図でした。

 それから100年余、世界中を舞台にしてきたインド映画に、今また新たなグローバル化の波が押し寄せています。非常に特徴的だった”歌って踊る長尺の”インド映画が、世界のフツーの映画と同じになってきているのです。このグローバル化の背景は? 今後どうなる? といったところまで、『ラブ・イン・トーキョー』(1966)、『ジーンズ』(2000)、『盲目のメロディー』(2018)などの映画を使いながら、検証ができればと考えています。

 なお、メインの講座と抱き合わせで開催してきた「映画で学ぶヒンディー語塾」では、実際に映画で使われた会話を学びます。ほんの1、2分の会話ですが、今回は『たとえ明日が来なくても』から。ヒンディー語が初めての方でも大丈夫、カタカナ書きが付いているので、その通り読めば意味が通じてしまいます。30分間の濃密なヒンディー語学習体験をどうぞ。

 日時:2019年 10月5日(土) 15:00~17:30
 場所:スペース・アーナンディ(東急田園都市線高津駅<渋谷から各停18分>下車1分)
 定員:20名
 講座料:¥2,500(含む資料&テキスト代)
 講師:松岡 環(まつおか たまき)

ご予約は、スペース・アーナンディHP「受講申し込み」からどうぞ。ご予約下さった方には、ご予約確認と共に、スペース・アーナンディの地図をメール送付致します。床におザブトンをひいて座っていただく形になりますので、楽な服装でお越し下さい(申し訳ないのですが、スペースの関係上イス席はご用意できません。悪しからずご了承下さい)。皆様とお目にかかれるのを楽しみにしております。(松岡 環) 

[講師紹介]1949年兵庫県生まれ。大阪外大(現大阪大)でヒンディー語を学び、1976年からインド映画の紹介と研究を開始。1980年代にインド映画祭を何度か開催したほか、様々なインド映画の上映に協力している。『ムトゥ踊るマハラジャ』『恋する輪廻 オーム・シャンティ・オーム』『きっと、うまくいく』『パッドマン 5億人の女性を救った男』など、インド映画の字幕も多数担当。著書に、「アジア・映画の都/香港~インド・ムービーロード」(めこん/1997)、「インド映画完全ガイド」(世界文化社/2015/監修)など。

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Love In Tokyo poster.jpg Andhadhun Poster

ほかにも、前回の東京オリンピック直後に撮られた『ラブ・イン・トーキョー』(1966)の話や、11月に公開予定の『盲目のメロディー』(2018)はフランスの短編映画を元にしていることなど、いろんな面から見たグローバル化についてお話ししていく予定です。インド映画についてもっといろいろ知りたい、とお考えの方はぜひどうぞ。

 


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