アジア映画巡礼

アジア映画にのめり込んでン十年、まだまだ熱くアジア映画を語ります

第11回アジアン・フィルム・アワード(下)

2017-03-23 | アジア映画全般

前回の続きです。いよいよ、メインの賞へと近づいてきました。

衣裳デザイン賞

プレゼンターには懐かしの黄偉文(ウォン・ワイマン)が登場。やっぱりちょっとおっさんくさくなりました。90年代はトンがっていて、いろんなジャンルでマルチに活躍していた人です。


★チョ・サンギョン『お嬢さん』(韓国)
 奚仲文(ハイ・チョンマン)『羅曼蒂克消亡史(原題)』(中国)
 黒澤和子『真田十勇士』(真田十勇士/The Sanada Ten Braves:日本)
 クォン・ユジン、リム・ソンヒ『新感染 ファイナル・エクスプレス』(韓国)
 張叔平(ウィリアム・チョン)、張兆康『擺渡人(原題)』(香港・中国)

韓国映画『お嬢さん』が獲りました。続く美術賞も獲ったのですが、両方とも同じ方が壇上に上がったので、お名前がわからず。偶然にも、プレゼンターも両方とも黄偉文が務めました。


美術賞


★リュ・ソンヒ『お嬢さん』(韓国)
 カン・ソンヨン『パンドラ(原題)』(潘朶拉/Pandora:韓国)
 部谷京子『リップヴァンウィンクルの花嫁』(夢の花嫁/A Bride for Rip Van Winkle:日本)
 邱偉明(ヤウ・ワイミン)『擺渡人(原題)』(香港・中国)
 馮立剛(フォン・リーカン)『鉄道飛虎(原題)』(中国)

編集賞

プレゼンターは谷徳昭(ヴィンセント・コック)。この人も監督であり脚本家であり、俳優でもあるというマルチな才人です。


★リー・チャタメティクン、ナタリー・ソー『見習い』(シンガポール・ドイツ・フランス・香港・カタール)
 デヴィッド・リチャードソン『メコン大作戦』(湄公河行動/Operation Mekong:香港・中国)
 キム・サンボム、キム・ジェボ『お嬢さん』(韓国)
 今井剛『怒り』(日本)
 ヤン・ジンモ『新感染 ファイナル・エクスプレス』(韓国)

シンガポールのブー・ユンファン監督作品で、昨年のTIFFで上映された『見習い』が獲りました。どちらがどちらのお名前なのか不明です、ごめんなさい。


「たに・とくあき」とつい読んでしまう谷徳昭ことヴィンセント・コックが見守ります。アップにしてみると、一時期より痩せたような...。『少林サッカー』(2001)等、いろんな映画にカメオ出演していますので、皆様にもお馴染みの顔ですね。

ここで、これまでの主演や助演男女優賞を受賞した人々の映像がスクリーンに写されます。張國榮(レスリー・チャン)の写真には、会場からどよめきが起きました。ほかに、劉徳華(アンディ・ラウ)や周潤發(チョウ・ユンファ)など、お馴染みの顔がいろいろ現れました。

卓越アジア映画人大賞

そしてまた、功労賞の発表です。プレゼンターは任賢齊(リッチー・レン)。彼自身、『大樹は風を招く』主演男優賞にノミネートされています。

カッコいいリッチーのパフォーマンスで、今も『合約男女』が公開中の鄭秀文(サミー・チェン)の名が読み上げられました。


★鄭秀文(サミー・チェン)(香港)

ちっとも変わらないサミー・チェン。歌手としても昨年もコンサートを開き、今年もコンサートが企画されているなど、大活躍中です。「3人の友人、杜琪峰(ジョニー・トー)、家輝(ワイ・カーファイ)、劉徳華(アンディ・ラウ)に特に感謝します」と述べるサミーに拍手が起こります。


ここで、助演男優賞にノミネートされている林雪(ラム・シュッ)と董成鵬/大鵬(ドン・チョンポン/ダーポン)へのインタビューが。林雪の席が、私の席からは通路を挟んですぐ右後ろでびっくり。


ダーポンにもマイクが回されます。『我不是潘金蓮(原題)』組がこの辺に座っているようで、左隣にはさっき受賞したばかりのカメラマン羅攀がいます。


林雪の隣に、任賢齊が戻って来ました。おいしいツーショット。ここは、『大樹は風を招く』組でしょうか。


助演男優賞

プレゼンターは楊千[女華](ミリアム・ヨン)。会場に入ってきた時から思っていたのですが、なぜか髪が「寝起きの髪をとりあえずゴムでとめました~」という風情で、ちょっとびっくり。これが今、オシャレなのでしょうか...。


読み上げられた名前は林雪。巨体を揺らして嬉しそうに登壇する林雪を、これまた全身で喜ぶミリアムが迎えます。


★林雪(ラム・シュッ)『大樹は風を招く』(香港)
 國村隼『哭声/コクソン』(韓国)
 マ・ドンソク『新感染 ファイナル・エクスプレス』(韓国)
 綾野剛『怒り』(日本)
 董成鵬/大鵬(ドン・チョンポン/ダーポン)『我不是潘金蓮(原題)』(中国)

「まさか俺がね~」と言いながら、杜琪峰(ジョニー・トー)監督やいろんな人に謝辞を述べる林雪でした。

助演女優賞

プレゼンターは鄭中基(ロナルド・チェン)。珍しくメガネをかけて登場しました。


★ムン・ソリ『お嬢さん』(韓国)
 金燕玲(エレイン・ジン)『一念無明』《一念無明/Mad World:香港)
 前田敦子『モヒカン故郷に帰る』(Band 友愛回家/The Mohican Comes Home:日本)
 シャバーナー・アーズミー『ニールジャー』(妮嘉/Neerja:インド)
 熊黛林(リン・ホン)『擺渡人(原題)』(香港・中国)

またまた『お嬢さん』で、ムン・ソリが登壇。ちょっと戸惑ったようにスピーチします。


終身栄誉賞

あとの楽しみを引き延ばすように、ここでまた特別賞の授与が入ります。プレゼンターは、さっきから名前の出ている杜琪峰(ジョニー・トー)監督と大物プロデューサーの于冬のお二人。トー監督好きなので、アップも付けておきます。

★徐克(ツイ・ハーク)(香港)

盟友の名を読み上げ、出て来た徐克監督としっかりハグするトー監督。お二人とも、今しばらくがんばって、香港映画を立て直して下さいね。

最優秀監督賞

プレゼンターで出て来たのは、夫が賞を獲ったばかりの徐克夫人施南生(シー・ナムサン)と、韓国の釜山国際映画祭の中心的人物キム・ドンホ。徐克夫人が「監督って、狂気がないとできないって言いますが、1本映画を監督しておられるキム・ドンホさんはいかが?」と話を振ると、「私もそろそろ、狂気を出して次の作品を撮ろうかと思っている」とキム・ドンホもジョークを返し、なかなかの名コンビぶりを見せてくれます。


★ナ・ホンジン『哭声/コクソン』(韓国)
 深田晃司『淵に立つ』(日本)
 曾國祥(デレク・ツァン)『七月と安生(原題)』(七月與安生/Soul Mate:香港・中國)
 馮小剛(フォン・シャオカン)『私は潘金蓮じゃない(原題)』(我不是潘金蓮/I Am Not Madame Bovary:中國)
 ラヴ・ディアス『The Woman Who Left(英語題)』(フィリピン)

で、コールされた名前は、日本でも『哭声/コクソン』が公開中のナ・ホンジン監督。まだ若いんですねー。

聞くところによると、ナ・ホンジン監督の現場は苛酷で、スタッフがみんな音を上げるのだとか。まさに「狂気」があんなすごい作品を生み出すのかも知れませんね。


<パフォーマンス>バイオリン演奏:姚[王玉] 

予定では監督賞の前だったようですが、ここへ持ってこられました。残りの賞は、いよいよあと3つです。

主演男優賞

プレゼンターは林嘉欣(カリーナ・ラム)。おきれいです~~~。


★浅野忠信『淵に立つ』(日本)
 許冠文(マイケル・ホイ)『一路順風』(台湾)
 コン・ユ『新感染 ファイナル・エクスプレス』(韓国)
 范偉(ファン・ウェイ)『ミスター・ノー・プロブレム』(中国)
 任賢齊(リッチー・レン)『大樹は風を招く』(香港)

カリーナに名前を呼ばれたのは、日本の浅野忠信。立派でわかりやすい英語で、即興のスピーチ。日本の俳優さんも、将来全員がこうできるようになるといいですね。特別に、アップも大判で。

主演女優賞

プレゼンターは、70年代から監督&プロデユーサーとして名を知られる呉思遠(ン・シーユン)。


★范冰冰(ファン・ビンビン)『我不是潘金蓮(原題)』(中国)
 ソン・イェジン『ラスト・プリンセス』(德惠翁主/The Last Princess:韓国)
 黑木華『リップヴァンウィンクルの花嫁』(日本)
 惠英紅(ベティ・ウェイ)『幸福是我(原題)』(幸運是我/Happiness:香港)
 チャロ・サントス=コンチョ『The Woman Who Left(英語題)』(フィリピン)

范冰冰(ファン・ビンビン)に決まった途端、『我不是潘金蓮』組は全員が立ち上がり、馮小剛(フォン・シャオカン)監督始めみんながファン・ビンビンをハグします。


グリーンの裾を引くドレスで舞台に上がったファン・ビンビンは、美しさに貫禄も加わって、ホール中の人の目を惹きつけて放しません。夫と離婚した掃除人の女性の役で、あれこれ不満をつのらせ、いろんな人や制度を訴えてまわる、という難しい汚れ役を演じた彼女、いろいろ胸に去来することがあったのか、結構長いスピーチでした。日本でも公開されるといいですね。



最優秀作品賞

オーラスの賞のプレゼンターは賈樟柯(ジャ・ジャンクー)監督。広東語、英語、中国語でご挨拶でした。


★『我不是潘金蓮(原題)』(中國)
 『哭声/コクソン』(韓国)
 『密偵(原題)』(韓国)
 『淵に立つ』(日本)
 『ゴッドスピード』(台灣)

読み上げられたのは『我不是潘金蓮』で、馮小剛(フォン・シャオカン)監督が、やれやれ、これで肩の荷が下りたよ、という表情で壇上に駆け上がって行きました。中国映画の大監督同士の賞授受って、ちょっとできすぎですけどね。


フォン監督は自分の年齢に触れ、来年は60歳になるので云々と長いスピーチをしていました。

写真を撮るのでいっぱいいっぱいで、スピーチ内容にほとんど触れられなくてすみません。でもまあ、千載一遇のチャンスでこうやってお伝えできて幸いです。今年は香港国際映画祭が4月11日~25日のため参加できず、レポートができそうになくて残念に思っていたのですが、このAFA報告でそれを補ったことにさせて下さいね。



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