シャー・ルク・カーン主演の『闇の帝王DON ベルリン強奪作戦』は、原題が「DON 2」。そう、2006年に作られた「DON」、日本題名は『DON 過去を消された男』の続編です。
『DON 過去を消された男』は皆さんすでにご覧になっていますよね? え? まだ見ていない? そうおっしゃる方はぜひ、事前学習としてご覧になっておいて下さい。『DON』を見ておかないと『闇の帝王DON』がわからない、というわけではないのですが、引き続きキャラが何人もいますので、『DON』を見ておけば彼らの関係が120%わかってぐっと面白くなります。『恋する輪廻 オーム・シャンティ・オーム』のアルジュン・ラームパールも出ていますので、彼のファンの方はマスト!です。
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『DON』はこれにも下敷きとなる作品があって、それが1978年にアミターブ・バッチャン主演で作られ、大ヒットした『ドン』。『ドン』は、『DON』と『闇の帝王DON』の監督であるファルハーン・アクタルの父ジャーヴェード・アクタルが、サルマーン・カーンの父サリーム・カーンと共に脚本を担当、アミターブ・バッチャンがドンとヴィジャイの二役を演じて話題になりました。この時のストーリーは、警察に捕らえられたドンが死亡、身替わりとして善人ヴィジャイがドンに化けて潜入し、最後には悪の一味をすべて逮捕、というものでした。
このストーリーが、ファルハーン・アクタル版『DON』では一大どんでん返しのラストとなっていて、21世紀の観客をアッと言わせたのでした。つまり、ドンは死んでいなくて勝利の高笑いを残し、いずこへともなく消えていったのです。ま、「これは続編作る気だな」と思わせたラストでした。
そしてできた続編が、『闇の帝王DON』。前作から引き続き、ドンを兄弟の仇と憎む女性警官ロマが登場します。演じるのはプリヤンカー・チョプラ。3月の「ボリウッド4」ムンバイ取材で、取材班に輝くばかりの容姿を拝ませてくれたことは記憶に新しく、こちらの「Yahoo!」のサイト等でプリヤンカー・チョプラのナマステ・ポーズでにっこり、の写真が見られます。
そのほかの引き続きキャラは、ロマの上司であるマリク警部(オーム・プリー)。「オーム」さんですが、白髪、強面のおじさんです。アート系映画で活躍したあと、イギリス映画『ぼくの国、パパの国』 (1999)を始めとする欧米作品にも多数出演、現在はボリウッド映画の名脇役として引っ張りだこの人です。
また、『DON』ではドンに敵対し、最後に捕らえられたワルダーン(ボーマン・イラニ)も再登場。ボーマン・イラニも達者な俳優で、「ボリウッド4」ではもう1本出演してます。そう、『きっと、うまくいく』のウィルス学長を演じているのです。ぜひ、両者を見比べて下さいね。上手な役者だということが、よーくわかります。
新たに登場するキャラは、ドンの愛人アエシャ(ララ・ダッタ)、コンピュータ専門家サミール(クナール・カプール)、暴力的なギャング団の頭ジャッバル(ナワーブ・シャー)、ドイツ中央銀行の副頭取でありながらワルでもあるディーワーン(字幕は”ディワン”だったかも/アリー・カーン)などなど。前作『DON』では美形アルジュン・ラームパールが脇を支えていたのですが、今回その美形役はクナール・カプールが担当。『愛国の色に染めて[Rang De Basanti]』 (2006)では、先日日本ロケで来日していた男優シッダールトらと一緒に、アーミル・カーンの回りにいた学生を演じていました。Wikiから取った写真を付けておきます。
そのほか、ジャッバル役のナワーブ・シャーもなかなかの味。下は、IMDbから取った写真です。左側のおじさんがナワーブ・シャーです。
そして、私が東京国際映画祭で上映された『チャンスをつかめ!』 (2008)以来注目しているパキスタン生まれの男優アリー・カーンも出演。女癖の悪い映画プロデューサーから一変して、セレブな銀行幹部を演じています。『チャンスをつかめ!』はファルハーン・アクタルの双子の姉妹ゾーヤー・アクタル(”ゾヤ・アクタル”の表記になることも)の監督作なのですが、ファルハーンとゾーヤーはキャスティングのセンスが似ているらしく、アリー・カーン、そしてリティク・ローシャンもお好みのようです。『闇の帝王DON』でも、リティク・ローシャンが意外なシーンにゲスト出演しています。お楽しみに!
ソング&ダンスシーンは目玉が2曲。ララ・ダッタがセクシーに踊る「Zaraa Dil Ko Thaam Lo(心を落ち着かせて)」はこちら。エンドクレジットでプリヤンカー・チョプラが踊るファンタジー調の曲「Dushman Mera(私の敵)」はこちらです。どちらも途中からシャー・ルク・カーンがからんできます。
ところで、みんなが期待してる最後のどんでん返しは? あるんですねー、これが。でも、ロマに拳銃で脅されても言うわけにはいきません。柳の下の二匹目のドジョウは、確実にいますので期待して見にいらして下さい。
ただですねー、最後の最後の最後がちょっと締まらないんですね~。ファルハーン・アクタル、ダメじゃん! と叱りたい気分。本編が終わってからなので、「ん?」と思われた方は、インドの観客&香港の観客になってしまって下さい。というわけで、太った二匹目のドジョウはいたけど、しっぽの先がちょん切れていた、という『闇の帝王DON』でした。
おっと、公式サイトはこちらです。劇場情報等、ご確認下さい。
映画公開が判明してから半年余り。待ちました!
本当に楽しみです。1本1本見に行ってじっくり楽しむ予定です。
でも、公開まで我慢できず、1月にシンガポールに行って、DON2と命ある限り、きっとうまくいくのDVDを買ってしまいました。なので、英語字幕では見てしまいました。
でも大画面、日本語字幕でみるのが一番!
英語の表現がどんな風になってるのかを知るのも楽しみです。
DON2はとってもスタイリッシュでシャールクも抜群にかっこよくて「うわあ~うわ~」って目を❤にしながら見ました。DONもどんでん返しにびっくりでしたが、今回も・・・ですねえ。DONはインド映画の中でも私の中ではNO1,2を争うくらい好きな作品なので、皆さんに魅力を知っていただきたいです。
もちろん、命ある限りも、きっとうまくいくも楽しみだし、唯一DVDを買わなかったタイガーは中身を知らない分かなり期待してます!
最後に、DON2のドジョウのしっぽ、確かに切れてますね・・・。わかります。なんでですかね~?もうちょっとなんだから流せばいいのになあ・・・と思いました(笑)。
ドジョウのしっぽ、ご覧になった方にはピンと来るというアレなんですが、日本の観客にとっては残念ですよね。単なる手抜きですかねー(ありうる)。
劇場でご覧になった方は、ご感想などお寄せ下さい。