今週はこれまでの疲れが出て、家でボーッと配信を見ていることが多かったです。仕事にもなかなかノれないので、1日だけ、えいやっと劇場に作品を2本見に行ったのですが、どちらもいまひとつで元気の素にはならずじまい。そんな中、ついつい惹かれて見てしまったアメリカのドラマがあったのでご紹介したいと思います。タイトルは『私の”初めて”日記』で、主人公は15才の高校2年生であるインド系の少女デーヴィー(字幕:デービー)という、Netflix制作の連ドラです。面倒なので、ドラマの資料を作ってしまいます。
『私の”初めて”日記』
2020&2021/アメリカ/Netflix連続ドラマ/10話(各話22~31分)×2シーズン/原題:Never Have I Ever
<スタッフ>
制作:ミンディ・カリング、ラング・フィッシャー
脚本:ミンディ・カリング、ラング・フィッシャー、ジャスティン・ノーブル、アミーナ・ムニール、ァクシャラ・セーカル他多数
演出:トリストラム・シャピーロ、リンダ・メンドーサ、カビール・アクタル、アヌ・ヴァリア他多数
<キャスト>
デーヴィー(字幕:デービー):マィトレーイ・ラーマクリシュナン
ナーリニ(字幕:ナリーニ/母):プールマ・ジャガンナータン
カマラー(字幕:カミラ/従姉):リチャー・ムールジャーニー
モーハン(字幕:モハン):センディル・ラーマムールティ
パクストン・ホール・ヨシダ(同級生男子):ダレン・バーネット
ベン(同級生男子):ジャレン・ルイソン
ファビオラ(同級生女子):リー・ロドリゲス
エレノア・ウォン(同級生女子):ラモナ・ヨン
ナレーター(陰の声):ジョン・マッケンロー
本作は毎回、「Never Have I Everナントカ」という題で進行していくのですが、ドラマの第1回冒頭で早くも一波乱。デーヴィーがコンサートでハープを弾いている時に、父親モーハンが客席で心臓発作を起こし、亡くなってしまうのです。大好きな父が亡くなったのがショックで、デーヴィーは一時足が動かなくなり、車イス生活に。ところが、片思いしている水泳選手パクストンの姿を見ようとしたことで立てるようになり、皮膚科医の母ナーリニも一安心。自宅には生物学者の卵である美人の従姉カマラーが同居するようになり、デーヴィーの高校2年生生活が始まります。学校での親友は、ロボット工学チームのチーフであるファビオラと、演劇部の部長であるエレノア。クラスでのライバルは有名弁護士の息子で高ビーなベン、そして憧れの人はパクストン...というメンツが、様々なドタバタを繰り広げます。
インド好きには、ロス在住のインド人、という設定がいろいろと興味深いシーンを見せてくれて引き込まれます。シーズン2では、転校生のインド人女生徒も新たに登場したり、インド系の先生がいたりするのですが、シーズン1ではものすごいダイバーシティぶりで、パクストンは日系の父親を持ち、ベンはユダヤ系、ファビオラは母親が黒人、エレノアは華人系等々、登場人物がほとんどみんな、背景が様々に違っている設定なのです。また、ファビオラが自分は同性愛者だと気づいたり、パクストンの妹がダウン症ながらデザイナーとしての才能に溢れ、考え方もしっかりしていてチャーミングな女の子であるなど、欲張りすぎぐらいの様々に異なるキャラを登場させていて、頭がくらくらしてきます。こう言っては何ですが、こんな欲張りキャラをぶちまけておいて、恋とセックスと家族のゴタゴタ、時々勉強、という、どうってことない物語を展開させる神経にもあきれるというか、脱帽するというか...。
しかしこれが、見始めると止まりません。どのキャラもブッ飛んでいて、アホらしいことばっかりやって目が離せないのです。そして、たまに疑似国連ディベイトとか、パクストンが老人ホームにいるおじいさん(5才で強制収容所に入れられた日系人)を招いて歴史の授業の発表をするとか、「アメリカの高校生はすごい!」と思わせてくれるシーンが登場するので、ダレていた気分が引き締まる――というわけで、アメリカでも人気のようですし、日本にもすでに相当数のファンがいる模様です。もしかしたら、シーズン3も登場するかも知れません。
現実にはこんな高校、ないのだろうとは思うものの、資料によるとプロデューサーのミンディ・カリングのボストンでの体験が元になっているのだとか。英語版Wikiには、「ハリウッドにおける南アジア系人物描写の転換点となった作品で、従来のステレオタイプな形象をぶち壊した」と評価されているそうです。う~ん、確かにインド系への偏見は、インド人コミュニティ内でしか描かれていなかったような...。そうそう、テニス好きの人は、ジョン・マッケンローの陰の声と一瞬の出演@シーズン1-10もお楽しみに。なんで彼が出ているのかは、冒頭でわかります。1週間、仕事の合間合間に見て、ちょっと元気になりました。
それにしても、アメリカの高校に留学した人たちは、こんな英語と思考の中にほうり込まれるのか~。アメリカに留学した皆さん、帰国子女の皆さん、心から尊敬します。最後に予告編をどうぞ。
Never Have I Ever | Official Trailer | Netflix