インド映画連続講座の次のシリーズでは、4月末に出た本「新たなるインド映画の世界」を使って、映画を深読みしてみようと思います。憶えていらっしゃる方もおいでかと思いますが、そもそもこのインド映画連続講座を始めたのは、2015年に出版された本「インド映画完全ガイド」(世界文化社)を使ってお話し、皆様にインド映画をよく知っていただこう、と思ったからでした。幸い、友人宅を会場に使わせてもらえることになり、スペース・アーナンディという「駅より徒歩1分、120インチのスクリーンにプロジェクター上映、有能な事務方付き」という願ってもない環境で、今まで講座を続けてくることができました。これまでお運び下さったたくさんの方に、心から御礼申し上げます。というわけで、新しい本が出たのを機会に、本の記述に依拠しつつ、あるテーマに基づいて2つの作品を詳しく見てみる、という試みをやってみることにしました。第1回は「ジェンダー(P.126&127)」を取り上げます。
スペース・アーナンディ/インド映画連続講座第Ⅵ期
「新たなるインド映画の世界」から
<第1回>インド映画とジェンダー~『マダム・イン・ニューヨーク』&『スルタン』
スペース・アーナンディ「インド映画連続講座」は、定員を約半分に制限し、感染予防策を徹底させながら実施を続けています。今期の第Ⅵ期「『新たなるインド映画の世界』から」は、4月末にPICK UP PRESSから発売された本をベースに、毎回2作品を分析していく、という試みをしてみることにしました。第1回は、「変わりゆくインド映画界の女性像とLGBT観」(P.12&&127執筆:高倉嘉男)を参考にしながら、『マダム・イン・ニューヨーク』(2012/ヒンディー語)と『スルタン』(2016/ヒンディー語)を見ていきます。 最近のインド映画には、フェミニズムの視点が色濃く反映されるようになった、ということは、皆さんも感じておられることと思います。『バーフバリ』シリーズに登場する、シヴァガミ、デーヴァセーナ、アヴァンティカら強靱な女性像やセクハラに対する苛烈な罰、『ダンガル きっと、つよくなる』の中でアーミル・カーン扮する父親が、レスリング大会決勝戦に臨む娘に言う「勝利はお前だけのものじゃない、何百万もの少女の勝利となる」というセリフ、また『パッドマン 5億人の女性を救った男』で、“穢れ”と忌避されていた女性の生理と向き合い、妻のためにナプキンを開発する主人公…。映画をご覧になって、感動の涙を流された方もいたのでは、と思います。ですが、あるインド人女性監督は、「あれが本当のフェミニズムだと思う? どれもが、男性のリードによって女性が幸せになる、というストーリーじゃない?」と疑問を呈します。では、そうでないフェミニズム作品は? と考えて選んでみたのが『マダム・イン・ニューヨーク』と『スルタン』なのですが、本当にそうなのでしょうか? また、「変わりゆくインド映画界の女性像とLGBT観」で取り上げられた、他のジェンダー問題を描く作品は? そんなことにも触れながら、インド映画に描かれるジェンダーのあり方を見ていきます。(下は高倉さんの文中に挙がってる作品で、日本公開済みのものです)
日時:2021年 7月24日(土)15:00~17:30 (お好きな日を
8月 7日(土) 15:00~17:30 お選び下さい)
8月21日(土) 15:00~17:30
場所:スペース・アーナンディ(東急田園都市線高津駅<渋谷から各停18分>下車1分)
定員:11名
講座料:¥2,500(含む資料&テキスト代)
講師:松岡 環(まつおか たまき)
今回も、①定員は約半分、ソーシャル・ディスタンスを確保する、②参加者はマスク着用、手の消毒も徹底する、③会場は消毒を励行、換気も徹底する、④その他、できうる限りの感染予防策を取る、という点に注意して実施しますが、感染者数が減ってきているとはいえ変異株の流行が顕著になっている状態なので、状況次第では中止のご連絡をするかも知れません。その点、悪しからずご了承下さい。
ご予約は、スペース・アーナンディのHP「受講申し込み」からどうぞ。ご予約下さった方には、ご予約確認と共に、スペース・アーナンディの地図をメール送付致します。床におザブトンをひいて座っていただく形になりますので、楽な服装でお越し下さい(申し訳ないのですが、スペースの関係上イス席はご用意できません。悪しからずご了承下さい)。皆様とお目にかかれるのを楽しみにしております。
PICK UP PRESS/税込2,640円/スペース・アーナンディでも販売中
[講師紹介]松岡環(まつおか たまき)
1949年兵庫県生まれ。大阪外国語大学(現大阪大学)でヒンディー語を学び、1976年からインド映画の紹介と研究を開始。1980年代にインド映画祭を何度か開催したほか、様々なインド映画の上映に協力している。『ムトゥ 踊るマハラジャ』 『恋する輪廻 オーム・シャンティ・オーム』『きっと、うまくいく』 『女神は二度微笑む』 『PK ピーケイ』『パッドマン 5億人の女性を救った男』『ジャッリカットゥ 牛の怒り』など、インド映画の字幕も多数担当。
[シリーズ次回以降の予定]
続くテーマは、「カースト制度」(P.128&129)、「印パ問題」(P.55)、「宗教」(P.130&131)、「踊り」(P.120&121)の予定ですが、もし、このテーマをぜひ、というご希望がありましたら、言っていただければ検討致します。
余談ですが、今、虹の絵文字を探していてふと思い出したのが、ヒンディー語での「虹」という言葉。ヒンディー語では「indradhanush/इंद्रधनुष/インドラダヌシュ」が「虹」を指すことばで、意味は「インドラ神の弓」です。してみると、地上にいて空にかかる弓をインドラ神がふりしぼってる、という感じなのでしょうか。つがえた矢で全人類の心を射ぬき、人はみんな平等、男も女も関係ない、誰が誰を愛してもかまわない、という風穴をあけていただけると嬉しいんですが、インドラ神様。
キャンパス,とうとうあの山のてっぺんからある程度便利なところに移りましたね
在学生とも交流ありますが学食はレインボーのままだそうです(笑)
ご著書,なにかアマゾンでひっかかって,え?新著書?ってことで購入
今度は複数の方がからんでいてたまき味はちょっと薄まっておりますね(笑)
それにしても,以前のご著書でインド映画入門させていただいた身としては,ひととおりパラパラ,何度かパラパラと楽しませていただいております
ネット上の動画サービスについても言及うされているなど,きちんと時代の趨勢取り入れられていて感動しました
ガリーボーイがなかった気がしますが,見落としですかね
あのイヤホンをふたりで聞く場面すきですが(笑)
もう一昨年になりますがシネ・リーブル梅田でバジュランギやヒンディーミディアムをみたのが最後で映画館行ってません
スペースアーナンディの教室もオンラインで2000円とか2500円の同額とっていただいてもみますよ ぜひ今度ご検討ください
11名だと利益とかそういったのほぼ度外視ですよね インド映画普及に尽力されている先生,尊敬いたします
私の影響で中1次男,今晩,きっとうまくいくみてます(笑)
インド映画もっとメジャーになってほしいいものです
とかいいながら,ここ1年ちょっと,ネトフリで韓ドラにハマっていますが
今回の本は「インド映画完全ガイド」の続編という位置づけですが、すべての仕切りが編集の夏目深雪さんで、私は決められた担当分だけを書いた、というスタイルです。ですので、前から書きたかった映画史をしっかりと書かせてもらい、他の部分もちょっとヘルプに入った、という感じで、中心執筆者は高倉嘉男さんです。
『ガリーボーイ』もちゃんと高倉さんが書いていますので、94&95ページを見て下さいね。配信のパートなど、私も高倉さんの文章から勉強になることが多々ありました。
で、映画講座の配信ですが、これはものすごく大変なのです。映像や画像が、許可を受けないと使えないんですね。
秋に朝日カルチャーセンターとNHK文化センターの仕事でオンライン講座をやるのですが、そのためにこれからいろんな配給会社さんに、予告編とポスター・ビジュアルの使用許可をいただかないといけません。
それ以外の画像はネット上のものも使えず、自分が撮った写真や、本にも使ったNFAIの画像や以前インドのカメラマンなどから購入した画像しか使えないのです。
配信を目指して、「インドの食文化と映画」というのをまずやってみようと、いろんなインド食材やスパイスの写真をとりまくったりしてみたのですが、肝心の映画関係の画像や動画が使えないとわかって、挫折しました。
映画は日本での上映権(5年とか10年)がすでに切れているものもあり、配給会社に言ってもOKをもらえないものも多いのです。そんなこんなで、配信の映画講座はあきらめた次第です。レジュメも字だけ、あと私の話だけ、という講座など、魅力が全然ありませんよね、てか、私もやりたくありませんです。そんなわけで、ごめんなさい、です~。
後日、朝日カルチャーセンターやNHK文化センターの案内をアップしますので、よかったら申し込んで下さいませ。
大阪大外国語学部も、この4月から新しいキャンパスになったようですね。通学、通勤が少し楽になったのでは、と喜んでいます。
先生方の中には、インド映画に詳しい拓徹先生や、中国映画に詳しい劉文兵先生など、アジア映画の専門家もいらっしゃるので、コロナ禍が落ち着いたらいろんな試みができるようになるかも知れません。
ネトフリで韓流ドラマですか?
私も、先日ある原稿を送ってぽかっと時間が空いたので、アマゾン・プライムで「キム秘書はいったいなぜ」というドラマを2日間で26話見てしまいました(まだ6話残ってる)。『梨泰院クラス』のパク・ソジュン主演で、キム秘書役のパク・ミニョン(だっけ?)がお仕事ドラマ好きの私にはどハマリだったもので、一部早回ししながらガーッと見た次第です。
ドラマはハマると怖いですね...。
では、将来が楽しみなご子息にもどうぞよろしく。
『きっと、うまくいく』気に入って下さることを願っています。
それは大変です
先生もキム秘書や梨泰院視聴されたのですね(笑)
その2つでしたらキム秘書が好みです。梨泰院はどうも恨みが根底でしんどかったですね。韓ドラはけっこうどろどろなんですがその味が薄いキム秘書,愛の不時着,ロマンスは別冊付録あたりが好みです
またボリウッドもどんどん紹介してくださいね!楽しみにしております。
次男はきっとうまくいくの他にpkも好きです。ま,中学生でボリウッドみてるのって貴重ですよね(笑)