新潟大五十嵐キャンパス(新潟市西区)で毎週水曜日、広島・長崎への原爆投下や戦争遺構、東京電力福島第1原発事故などを題材に「平和」について考える授業が開講されている。医学部保健学科1年の宗前(そうまえ)葵衣(あおい)さん(18)は「戦争で犠牲になるのは国民。絶対にあってはならない」と、講義する被爆者らの生の声に真剣に耳を傾けている。
宗前さんは那覇市出身。子どものころから、小中学校の授業などで沖縄県糸満市の平和祈念資料館に足を運び、太平洋戦争末期の沖縄戦の凄惨(せいさん)さは見聞きしていた。戦没者の名を刻んだ「平和の礎(いしじ)」に並ぶ24万人余の名前に実感は湧かなかったが、現実がそこにはあった。米兵が海岸を歩く光景も日常だった。遠く離れた雪国の大学に進学しても、平和に関する授業を取るのは自然な流れだったのかもしれない。
だが、大学の友人との会話で、平和問題が話題に上ることはほとんどない。「安全保障法制や在日米軍基地問題への関心は低い。悲しい気持ちになる」
毎日新聞2016年6月18日 地方版
明日を託す
2016参院選・新潟/5止 改憲と安保法制 見つめ直す機会に /新潟
http://mainichi.jp/articles/20160618/ddl/k15/010/080000c