南十字星☆

この道48年のフラメンコギタリスト青木敏郎のひとりごと

ファラオンを弾こう

2012-02-17 19:27:35 | ・音楽雑記
2月17日
と~~~っても寒いけど晴れだった。
少し固い話になるけど、前の記事でジプシー・キングスのファラオンの凄いyoutubeにリンクしたところ早速鋭い質問をいただいた。ウードが主役のため原曲よりも半音低いB♭mで演奏しているが、「二人のギタリストが片方は3カポ、一方は1カポ。おかしいやないかい」というもの。

答えはこうだ。
この曲の循環コードは Bm⇒G7⇒Em⇒F♯7 である。セカンドギターはこれをずっと刻んでいる。
ギター特有のカンパネラ奏法のメロディを美しく響かせるための1弦解放のミを使うため、実音Bmに対してギターはカポを2フレット加えて1音高くしておいて1音低いAmで弾いているのです。こちらがファーストギターで 循環コードは Am⇒F7⇒Dm⇒E7 であります。

ギターは深い。けど、完全にウードに持っていかれている。ウードか、う~~~ン マンダム!

ちなみに日本では1997年にこの曲が出版されている。
瀬田彰・編/フラメンコギター曲集Ⅳ/即興のルンバ(現代ギター社刊)

運よくお手持ちの方はラッキーといいたいが、譜面は紙面の都合ですべてBmで書かれている。
カンパネラ奏法のコンパスだけ、とそれ以外は原調での掛け合いが必要で、ここのところをアレンジできないとこの譜面では曲は弾けない。