ススキノは久し振り。と言っても夜の宴席では無く、昼に映画と健全(?)ですが。
漫画「ゴールデンカムイ」は面白く読ませてもらい、アイヌ文化の事など教えられる事も多く、つい全巻揃えたのですが、それが実写版で映画にと話題になっていて、映画と言うと音楽関連しか見た事の無い私でもこれは興味が湧きます。
上映館を検索すると昨年建ったばかりのココノススキノにあり、このビルに入るのは初めてなので見学を兼ね来てここにしました。最近目新しいものにあまり興味が無く、好奇心が薄れたのはジジィになった証拠だな…と反省しながら。
内容は概ね原作に沿い、迫力ある二〇三高地の戦闘シーンから始まり、主人公「不死身の杉本」が、黙って出て来た「アシリパ」と再会し、再び二人で行動という21話までが軸。
普段映画やドラマを見る事の無い私は、俳優さんの名前はわからないのですが、不死身の杉本にアシリパはとても頑張っていて、漫画のシーンと同様に気持ちが入ってゆきます。そしてアシリパさん初めて味噌を食べるシーンの変顔も可愛かった。
それにしても登場人物、良くこんなに原作の絵面に合った俳優を見つけたと驚きます。狂気を宿す敵役の鶴見中尉は良いですね。率いられる第七師団軍の知的担当?尾形上等兵やイカレ担当?の双子の二階堂兄弟も印象的。
柔道殺法の牛山はハマリ役って感じがするし、砂金堀りのシーンで金塊探しのきっかけを作る男も印象的。その男が飲んでいるのが明治のラベルの北の誉と、原作ではただの茶色い瓶に見えるけど、そこまでこだわっているのも嬉しい。
サブ・キャラだけど小樽で杉本とアシリパの後を付ける男や、杉本を追いかけ熊の穴で熊に顔をやられる隊長など、本当によく似た人を見つけたなぁと感心するばかりですが。
美しい冬景色の山や森の中はちょうど今時期の北海道そのもの。ダイヤモンド・ダストが舞っているから、道北のどこかでのロケなのでしょうか?
雪の積もったアイヌコタンも綺麗に再現され、かつ冬の厳しさを感じさせて良かった。
私が小さかった頃、コタンはもう無かったと思いますが、口の周りに文身をしたおばあさん(フチ)は、まだ見かける事がありました。浦河アイヌの人達で記憶ではあの映画ほどは黒くなく、もう少し青みがかった色だったと思いますが、そんな事を思いだします。
そうした人達が身近にいたにもかかわらず、アイヌの人達の事に無知な私が恥ずかしく、気候が良くなったら、今年こそ二風谷を訪れて学ばせてもらおうと思います。
余談ですが、昔この場所は本屋で夜の時間潰しに寄ったっけ。それがやがてデパートが建ち、ススキノにも昼の顔が…とは中々ならなかったけど、今度こそ昼の顔になれるかな。
そう言えばモユクサッポロもまだ行っていないし、それも行って昼呑みもして…と、雪が融ける前から出来る事一杯ありそう。そして融けたら二風谷か、忙しくしないと老けちゃうからね、と自分に言い聞かせながらのこの日の映画でした。
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