daddy-kのいきあたりばったりⅡ

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道立近代美術館/皇室の至宝

2024-10-28 | ノン・ジャンル

皇室の至宝と聞いて思ったのは蒔絵とか工芸品のイメージで、さして興味をそそられ無くて…が、HPを調べると若冲や応挙のほか、北海道にまつわる作品やゆかりの作家の作品も展示とあり、これは行って見なくてはと、散歩日和を選んで行って来ました。

一部は撮影がOKでありがたく写真をUPしましたが、蒔絵の器とか普段の生活とは縁が無いし… と思っていたのですが、実際に見てみると風炉といい、蒔絵の香箱といい実に良いのです。品と言うか風格と言うか、これが雅というものなのか?とちょっと感動。

笙を見るのは初めて。意外に小さい楽器でしたが、立体感のある塗は高蒔絵だそうで、楽器の興味と共に優美な姿に気持ちは鎌倉時代。昔聞いた笙のCDは… でしたが、あの時は和楽器との組合せ。もしかして、洋のリードオルガンとかは意外に合うかも。

いっそカンテレとかダルシマーとか、民族楽器とアンサンブルしたら面白いのでは?とは素人の単純な発想で、出来たCDを誰が買うの?までは考えていないのですが。

 

二つ目のコーナーは「近代日本の皇室と北海道」で、明治期の北海道が描かれていましたが、興味深かったのが富岡鉄斎の描いた「旧蝦夷風俗」 (東京国立博物館所蔵)

鉄斎は明治7年に北海道を訪れたそうで、絵にはイオマンテの儀式やチセを建てる様子、アットゥシを作るため樹皮はぎ、それを川で晒す様子など、その頃のアイヌの人達の生活がギュッと詰められていて、最近は記憶の断捨離(?)が進んでいる身としては、カメラにメモを残す事ができ感謝です。

谷文晁の印の蝦夷山水図があり、中に「フヨシュマ図」というのがありました。図の奥の山には「アホイ」と描かれていて、おお!私の生まれた隣町の「冬島」に「アポイ岳」ではありませんか!今と変わらない1800年頃の姿に感動。といってよく見ると北海道近代美術館蔵とありました。知らなかった事に一人赤面。※実際は谷文晁の弟、谷文旦が描いたと言われているそうです。

なお右の絵は、岸光景による「蝦夷地奇譚」だそうで、これも1800年頃のものだそうです。

下の三枚は明治25年の写真で、択捉島など千島列島での仕事が写っています。

恥ずかしながらこれも初めて知ったのですが、「明治八年の樺太千島交換条約により、占守島に住んでいたアイヌの人達は全員色丹島に強制移住」とあり、その北方領土は今 …

皇室の至宝とはかけ離れた話になりますが、色々と考える事もあった展示でした。



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