普段映画を見る事はほぼ無いのですが、音楽ドキュメント物となると話は別で、一昨年の「サマー・オブ・ソウル」は良かったなぁ。またあんな胸ワクワクの刺激は無いかな?と思っていたところ、あのウッドストック・フェスティバルとも並ぶ "伝説のロックフェス" とのコピー文に踊って見に行って来ました。
カナダのトロントで行われたこのフェスティバル、今まで知らなかったのですが、ウッドストックと同じ1969年に開催されたそうで、開催までには色々と紆余曲折があったみたいですが、そのあたりが思い出話とイラストで回想されています。
実写のウッドストックとの違いで少しダレますが、イラストならではの表現で、主催者の絶体絶命のピンチにタラ―っと汗が伝うシーンがあり、あれは実写で出来ないメリット。これはアメコミにもある表現なのでしょうか?日本のコミックの表現に似ている気がし、興味深かく、面白く見させてもらいました。
演奏シーンではボ・ディドリー、リトル・リチャード、ジェリー・リー・ルイスなどのロック・レジェンドの熱演や、チャック・ベリーのバックがリハが無くいきなり本番…というエピソードもあって、バックを務めたバンドはエラい。拍手。
ロック・レジェンドだけではチケットの売り上げが厳しい、と言う事で白羽の矢が立ったのがザ・ドアーズ。出演のOKは取り付けたものの映像の許可が出なかったようで、いきさつの話だけで終わったのは残念。レイ・マンザレクのプレィが見たかったなぁ。
そして大物をもう一押しと言う事で参加したのがジョン・レノン。そのバックに結成されたのがプラスティック・オノ・バンド。映画の中ではオノ・ヨーコが長時間叫ぶパフォーマンスをしていましたが、彼女は循環呼吸が出来た?まさかと思いますけれどね。
ライヴとして面白かったのはアリス・クーパー・バンドで、それまで興味を惹くバンドでは無かったのですが、例のニワトリ事件を含めここでのアリスはイキイキしてます。アリス・クーパー自身も「悪役アリスはあのとき生まれた」と語っていました。
私にとって散漫な印象の映画でしたが、ロックン・ロールやフォークやフラーワー・サウンドが終焉を迎え、70年代ロックの時代へと変ってゆくシーンを切り取ったと思うと、そんな時代だったよなぁ、あの頃はまだ若造でさ…と今では懐かしいです。