daddy-kのいきあたりばったりⅡ

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ディランとフォーク・ソングとあの頃

2022-07-25 | 音楽つれづれ

1965年の今日7月25日は、ボブ・ディランが第5回ニューポート・フェスティバルに登場した日で、彼はPaul Butterfield Blues Bandをバックに、「ライク・ア・ローリング・ストーン」ほか3曲を歌ったのですが、「フォークのプリンス」のディランがあろうことかロックバンドを!…と会場は騒然となり怒声が飛んだという、あの伝説の日です。

一旦下がったディランは、フォーク・ギター1本で再びステージに上がり、シンプルな弾き語りで、「イッツ・オール・オーバー・ナウ・ベイビー・ブルー」を歌い、涙ながらに古いフォーク・ファンに別れを告げ…という伝説がありますが、今CDショップでフォークのコーナーは見当たらず、ディランの方向が正解だったと言えるのですが。

 

カバー・ポップスに導かれ洋楽が好きになった頃は、ラジオのベストテン物はティーン・ビート物を始め、映画音楽、カリプソ、ラテン等が混在。そんな中キングストン・トリオとか、ピーター・ポール&マリーなどのしっとりしたフォークが流れ始め、それが大人の音楽に聞こえ、一時期は結構好きで聞いていました。

ギターを抱え「500マイル」や、「虹とともに消えた恋」を真似っこをしていたのは私ばかりで無いと思いますが、教則本片手に「勝利を我らに」とか、「わが祖国」などを歌って、俺はフォーク・ソングの理解者だぞ、みたいに思っていたのは、いま思うと滑稽でしかない、青く恥ずかしい、そんな時代でした。

 

ライノの編集で50年代から70年にかけての、アーバン・フォーク(日本で言うモダン・フォーク)を集めた「ワシントン・スクエア・メモワール」というCD3枚セットがあり、ウッディ・ガスリーから始まり、息子のアロー・ガスリーで締め括る構成で、フォークが、シンガー・ソングライターや、ロックなどに拡散してゆく様子が見えてきます。

日本には紹介されていない楽曲(私が知らないだけか?)が多くあるのは、さすがライノですし、アメリカと日本での指向の差みたいなものも見える感じがします。

 

そんな中で、気になった歌手の事を少しだけ書いてみましたが、ディラン関連から話をすれば、最初に浮かぶのはキャロリン・ヘスター(左)です。

彼女が24歳でデビューするに当り、当時20歳のディランをハモニカ演奏に指名しお互いバディ・ホリーが好きって事で友達になったわ、と彼女は回想しています。

ディランが有名になるとその日本盤アルバムが、「ディランのレコード初吹込み!」として、ディランが半分を占めるジャケットに変えて発売されますが、ひどい話ですよね…と言いつつ、当時の私はトラッド・シンギングは苦手で、ディランの名でこのアルバムを買った私に言う資格は無いのですが。

その後、私も大人になり(?)、ジーン・リッチー(中央右)あたりからトラッドの良さも分かるようになってきて、今はそれなりに聞いているのですが。

もう一つ余談ですが、フォーク界のフィクサー?アルバート・グロスマンが、男女の構成でグループを立ち上げようとした時、真っ先に声をかけたのがこのキャロリン・へスターだったそうで、もしかしたらピーター・ポール&キャロリンというグループが誕生していたのかも知れませんね。

ミミ・ファリーニャ(左)は、夫リチャードとのデュオで、「悲しみをわが手に」などの新しいフォークの世界を開き、ジュディ・ロデリック(中)や、ジュディ・ヘンスキー(右)はアコースティック・パンクとも言うべきスタイルで、サイケデリック・サウンドの先駆けとなった、そんなふうに感じます。

特にヘンスキーの「空を舞う鳥」などを聞くと、彼女はジェファーソン・エアプレインのグレイス・スリックと似ているな?という感じをうけるのですが。

話が女性中心になりましたが、男もシスコ・ヒューストンなどからティム・ハーディンなどへと、フォーク全体が俯瞰できる好コンピレーションとなったのは、重ねて言いますが、さすがライノと。

 

話は飛びますが、日本でのフォーク・ソング初期から熱心にジョーン・バエズなどを紹介し、後にはワールド・ミュージックなどを紹介、牽引して来た音楽評論家の中村とうようさんが先日亡くなられました。

ご冥福をお祈り申し上げます。

 

■ 聞きたい365日 第315話でした。

 

【関連の過去ブログ】

2020/04/30 悲しみをわが手に

2018/07/31 500マイルも離れて

2015/02/02 ハイウェイメン 愛しのシンディ

2009/09/22 悲惨な戦争/ピーター、ポール&マリー



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