吉村怜子さんのオルガン・コンサートの話の続きになりますが、コンサートを楽しませていただいた後は、近くで見たり写真を撮っても良いと言うことで皆さん集まって見え、その優な外観に興味津々の様子。(写真右が正面、左が演奏者側)
音楽ホールKitaraが出来た時、大ホールのオルガンのほかに、リハーサル室の小型のオルガンや、移動可能なポジティフオルガンも入ったとは聞いていましたが、実際に目にしたのは初めて。
正面は木部の装飾に金属パイプと、これぞオルガン。奥にはパイプの木部も見えます。
当然ヨーロッパのビルダーのオルガン?と思っていたら、それが日本で制作されたもので、使われたのは草刈工房のオルガン。
紀元前の水力を利用したオルガンからと言われるヨーロッパの歴史に対し、明治期になりようやくリードオルガンの製造が始まった日本で…などと、いつの時代の話をしているの?と笑われそうですが、アナクロオヤジで失礼しました。
でも緊急時のメンテナンスとかは、日本にいるビルダー直がありがたいですよね、日本にビルダーは4人ほどいて、草刈さんはその人達から一目置かれる存在だそうですが。
このオルガン、客席から見た時はずいぶんコンパクトなので、もしかして44鍵か?なんて思っていましたが、Cスケール+Dまである51鍵でした。
鍵盤は一般的なピアノや電子オルガンに比べ、幅も奥行きもすごくコンパクトに出来ていて(特に奥行き)、筐体がコンパクトに見えたのも納得。
これなら手の小さい私でもクラスター・ハンドで演奏が出来るかな?とは、楽器が何も弾けない私が言う事では無いのですが。
ストップ(音栓)は8フィートの他は4'と2'との3つと、シンプルな構成は小型オルガンだから当然として、このパイプは移動時に外して運ぶのでしょうか?
移動が前提のオルガンだからそこまでしないにしても、移動させたら当然、調律・整音が必要になりますよね? 51鍵×3ストップと150本からのパイプがあるわけで、調律と前後して移動と組立てをして、リハーサルを済ませ、2時にはコンサート開演ですから、関係者の皆様のご苦労に頭が下がります。ありがとうございました。
最後に送風装置は当然モーターですが、これは演奏椅子の中に隠されていました。それも当日組み立てるのですね。重ね重ねですがありがとうございました。
【2023/05/05追記】キタラのホームページに「オルガン・アウトリーチコンサート」として、オルガンを外に持ち出す様子がありましたので、興味ある方はどうぞこちらでご覧下さい。⇒https://www.kitara-sapporo.or.jp/about/special/education/outreach.html
いい演奏、素敵なオルガン、関係者さんのお仕事を思い、心の中がフワッと暖かく感じるのは、この日15度を超えた気温のせいばかりでは無いです。
こんな日はそよ風と共に歩きましょうと、少し遠回りをし豊平川河畔を歩くと、柳はもうすっかり青々と。もう春と言ってもいいのかな?と、こころウキウキな一日でした。
余談ですがもう一つウキウキがあって、先日芸協の二つ目落語家、春雨や風子が来年5月に真打ち昇進のニュースが。今まで二度ほど昇進に置いて行かれたのはどんな事情があったのかはわかりませんが、ともかくおめでとうございます。良かった良かった。