靴の製法の第二回目です、今回は比較的簡単な製法のマッケイ製法とセメント製法です。
この絵では甲革が袋状に成ってますが、それ以外でも甲革を中底で挟んでその部分を、表底まで一緒に縫いつけた物も有ります。
要するに甲革を表底に直接縫い付ける製法です、この製法ですと工程数がグッドイヤーウェルト製法に比べると、底付けに関しては約半分の工程数で済みます。
特徴は軽く成り、靴底の曲がりも良く成ります、足馴染みも早いです。その代りに形が崩れ易い面も有ります、以前はイタリア製の軽い靴によく使われておりました。
此方がセメント製法です、一番簡単で大量生産に向いてます、一般的なビジネスシューズによく使われる製法です。
特徴は甲革を中底と表底で挟んで、接着剤で貼り付けるのです、最近は接着剤も良く成り剥がれる事は少なく成りました。スニーカー等はこの製法が多いです。底の張替え(修理)は原則出来ません。革底の靴でもこの製法で作った靴が最近多いです、当然ですが中の底には縫い目が有りません。
この様に製造方法は色々有ります、この他にも有るのですが代表的な製法を取り上げました。
注意して頂きたいのは、使用目的に合った製法の靴を選んで欲しい事です、また製法に合ったお値段で有って欲しいです。ブランド名だけで無く、製法の確認をして見て下さい。
最近多いのは、グッドイヤーウェルト製法の様でマッケイ製法だったりセメント製法の靴が多く成りました、気に入った靴なのに修理の時に出来ませんと言われ驚かない様にして下さい。
またセメント製法の合成底に革を貼った物も多いです、見た目だけ革でも革底の特徴は無いです、輸入靴に多いです。
お買い上げに成る時に、製法・修理が可能かを聞くのも良いかと思います。
確かに靴はデザインも大事です、ただ気に入った靴を永く履きたいと思っても製法に依っては無理な時も有ります、お選びの参考に成れば嬉しいです。
絵を描いたり色を付けたりで時間がかかり遅れました、二回に分けての表示に成りました。ご質問がお有りの方、間違いを発見した方はご連絡をお待ちしております。