私は、今回の王老師の来日講習会や鹿児島での練拳者の練拳の様子などみていて、本当にレベルが上がってきたなあと感じます。正確な動作もできるようになってきているし、爆発力もだいぶ形成されてきていると思います。やはり、この2年間あまりたびたび王映海、喜成老師をお呼びし直接指導を受けてきた成果は着実に出てきている人が多いと思います。本物の動きを見、指導を受けることは、こんなにも大きな成果を生み出すものかと思います。 一方、これからの課題もいっぱい見えてきたと思います。精気神でいえば、精気はだいぶ満ちてきた。だけど、神のところはこれからだなと思います。車でいえば精はガソリン、気は、エンジン。神はどのように走るかという表れです。神気といった時には、指揮者が4拍子を刻むことは、小学生でもできるが、名指揮者はタクトをほんの少し動かすだけで、全てのオーケストラを乗せ、動かすことができる。タクトの先に全身全霊を注ぎ込むことが出来るのは長年の経験や音楽的素養蓄積があってからこそであり、武術もまた、精気が養われてこそ、神気として現れる。神気は眉間に現れるというが、眉間の表情だけを真似して見たところで神気は現わうことはできない。神気を発するという課題は大きいと思う。
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