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Bye Bye Blackbird John Coltrane・ Improvisation018

2025-01-23 19:04:24 | Improvisation

Miles DavisとJohn Coltrane のアドリブを並べてみました。

 Miles Davisのモード的対比のアドリブに比べて、

John Coltraneは和声的でコードトーンに向かって解決するかたちのようです。

Miles Davisについては解説を省きます。

2小節目の「G・E」次の「F」音のアプローチノートです。モード的な場合は

「E」音はユーフォニー的逸脱によって「D」になるのが通常です。

3小節目の「G」音は対比を現していますが次の「G・C」で「A」音を

省略した4度で基音単位との対比かと思うと次の「G」音は弱拍にあり「F」

音への装飾音になっています。モード的ですと「G」を強拍において次の

基音「F」への対比を現すかたちになりますがここでは「C」と「G」音が

一体となってドミナントのサウンドになっています。「G・C・F」で省略音

「A」音を入れると「G・A・C・A・F」という音の流れになっています。

最後の段の3小節は明らかに「C」「B」「B♭」というバッキングで流れるであろう音が

意識されています。すなわちAm7(F)・A♭m7・Gm7です。

2小節目の「D♭・G♭」は「C♭」が前にあるので「D♭・C♭・A♭・G♭」。

3小節目の「B♭・F♯」の「F♯」音は次の「G」音への装飾音符。

4小節目の「F♯」音は次の小節でGmへ解決していくためのメロディックマイナースケール

(旋律的短音階)を意識したものです。前半をC Lydian7次にD7(メロディックマイナー)

と次に進行していく方法としては色々考えられます。

ここの分析でモード的か和声的かの分岐点として考えたのはモード的の場合は対比音が強拍で

基音単位に対してハッキリと対比しているかということです。

対比音が弱拍になると装飾音や倚音(いおん)などになって対比が感じられなくなってしまいます。

この場合は和声的と考えました。

Bye Bye Blackbird John Coltrane01


 

John Coltraneの最初の小節の「F♯」音はGm7の音階のまmja7度の音ではなく「G」への

装飾音符2小節目にかけての「D・G・B♭」へと続く。

又は、この2小節を「Gm・Gm△7・Gm7・C7」というコードを設定して「F♯」の音を

使ったかのどちらかと思われる。そして、次の「F7」へ。

この「F7」は最後の段の最初の小節の「Gm7」から逆算してできたコードです。

例えば「G7・C」というコード進行がある時、「G7」は「Dm7・G7」または

「D7・G7」「A♭7・D♭7」など色々に解釈してアドリブが出来るという和声の理論

で、終止形を前へ前へと逆にさかのぼっていったものです。

最後の段の最初の小節は下の赤丸が示しているようにある音への修飾音だった経過音で

あります。3小節目の「♮B・D」音は次の「C」音への修飾音です。

4小節目の「D♭」音は次の「C」音への半音の経過音。和音を横に並べて経過音や

修飾音などでつなげていっていることが良く分かります。すなわち和声的であります。

Bye Bye Blackbird John Coltrane02


Miles DavistとJohn Coltraneのモード的演奏手法と和声的なドミナントモーションの

対比が分かりやすく出ています。思考方法の違いですね!

17の最初の小節の「B」音は次の音「C」の装飾音符で、2小節目の「D・D♭」音も

次の「D」音への装飾音符です。

1小節から4小節目までは原曲の「F」音から「C」に上向き、「F# 」音に向かって

下向く形がモチーフとなったアドリブで「C」まで上がって下がる中にターゲットの音が

入っている。

4小節目では「B・B♭・A」という半音のラインで下に示したように「F♯」の音がターゲ

ットのエンドでペタルトーンのように演奏されている。

下の段は赤字で書いてあるようにほとんどがドミナントモーションでアドリブされている。

和声的な思考でアドリブされていることが分かる。

24の小節は非常に興味深いです。ここでは和声的にはC7で「E♭」音は10th「A♭」音は

♭13thなどとなりますがスケールがハッキリしません。

次の小節で「B♭・F」音と続きます。そこに見えるコード進行は「C7・B♭7・F」という

ブルースの終止形です。ドミナントモーションの単純化を避けた思考かと思います。

Bye Bye Blackbird John Coltrane03


 

25の表記の小節の最初の赤丸は前の小節からつながりで「ブルース的終止」が食い込んできた

部分です。ここでは原曲の1小節目で上向き2小節目から4小節目のターゲット「F# 」音に

下向いていくことをモチーフに赤丸の音「A」を通って「B♭G」「B・G#」「C・A」と

3度のフレーズの連続です。「C・A」は「C・F」の5度になっていて「A」音が省略されて

います。4小節目から下の段の1小節目はドミナントアプローチで裏コードの「E♭」が

使われています。

29が表記してある小節の赤丸は省略音です。次の小節は非常に興味深いです。

最初の赤丸の音「C・A」は次の「B♭」音のアプローチ、次の「D・A」は省略音を加える

と「D・F・A・B♭」となり次の「G・E」は「F」音のアプローチ。そして「D・B♭・G」

は5度の音程を構成し次の「C・F」と5度の連続。この部分はコード「F」に向かう終止形

ですが「C7・F」ではなく「Gm7 ・F」になっています。和声的にはサブドミナントから

トニックという形です。

最後の小節は赤字で示した通りドミナントモーションでトニック「F」に終止している。

Bye Bye Blackbird John Coltrane04

 
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