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入門マグロ経済学

2005-08-27 | 時事その他雑感
日経新聞(8/27)を読んでいましたら
「マグロ、漁獲制限でも値下がり気味。養殖普及で供給増加」
の記事が目に留まりました。


ポイントは次のようなものです。

①マグロは乱獲による資源枯渇が懸念され、
世界的に漁獲制限の動きも進んでいる。
 将来の品薄感から値上がりしても良いのだが、
現状の相場は消費低迷もあり、
 品薄感は薄く、価格は上昇しにくいとの事。

②スーパーの店頭でも格安なメキシコ産「蓄養」の本マグロ
(高級品ですよ)の輸入が増えていることから、
インドマグロなど他の魚種の相場も上がりにくいらしい。

③では「蓄養」とは何か?蓄養というのは、捕獲した天然本マグロを会場の大型
いけすで育てる養殖法のことで、世界で年3万トン程度の本マグロを
安定供給できるとのこと。
 2003年の世界の本マグロ漁獲量は4万1,368トン(国連食糧農業機関調べ)
ですから、7割強が「蓄養」によるものとなります。

④では何故、メキシコ産が安いのか?「蓄養」の本場はスペインですが、増加が
目立つのはメキシコ産。
人件費が安く、天然物の漁場に近くコスト競争力があると。
 日本の本マグロ輸入量の1-2割、卸値はスペインの約6割と格安。


ここまで読んでハッ!と思いました。
待てよ、「あのニュース」も今後、価格低下圧力として働いてしまうのではないかと。


それは、厚生労働省がこの8月12日に発表した食品安全情報
「妊婦の魚介類の摂食と水銀に関する注意事項の見直しについて」です。
http://www.nihs.go.jp/hse/food-info/mhlw/news/050812/050812.html

そこでは今回、マグロが注意対象となっており、妊婦の方々はマグロのうち
クロマグロ、ミナミマグロ、メバチについては厚労省の注意事項に示された
摂取量を超えないよう注意が呼びかけられているのです。

ただし、子供や妊婦以外の成人の方々は、いずれのマグロも通常に摂食して
差し支えありませんと明記されております。


BSE問題以来、国民の食の安心・安全意識は非常に高まっているだけに、
心理的な抵抗につながらなければ良いのですが。


(どうでもいい話ですが、私もマグロは大好物でして、都内で積極的な店舗展開
している「さくら水産」の「まぐろの中おち定食」のヘビーユーザーです。
しかし、あの報道以降、頭では全然問題がないことは理解しているものの、
食べに行く回数が減っていました。)

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