◆「財務アナリストの雑感」 2024◆

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ネットベンチャー元経営者M氏の死を悼む

2023-11-29 | 会計・株式・財務
元同僚で上場ネット企業創業者、その後は数百億円もの会社売却資金で篤志家として様々な寄付・助成活動を展開してきたM氏
肺がんのため61歳の若さで亡くなってしまった。
28日に告別式があり、私なりに彼の死を悼みたい。

1986年の同期入社。一言でいえば「人たらし」で相手の懐に入るのが実にうまい人物。1995年頃、私と同じ職場となったが、C型肝炎でインターフェロンを打つ日々で本当に苦しそうだった。その体験が彼を起業に向かわせたことは想像に難くない。その後の大躍進は他稿に委ねよう。

今年4月に10数年ぶりに会った時、「肺がんになっちゃったけれど、新薬の効果で肺の中が綺麗になりすぎて、今はそれが問題なんだよ」とガハハと豪快に笑い飛ばしていて、その時は私も何も心配していなかった。

しかし、8月に同期会で再会したとき、抗がん剤の影響からか頭髪が抜け、咳き込みがちで明らかに体調は悪化していた。しかし病気の話はしなかった。寛解していると信じたかったからだ。
日本映画への投資を検討していたようで「なかなかいい投資案件がないんだ」とこぼしていたが、私は「もう前の会社で十分儲けたのだから、採算度外視でいい企画に投資したら」と。これが最後の直接の会話となってしまった。

10月中旬、M氏の投資会社が東京映画祭のスポンサーになっているのを見付けて、M氏に「レッドカーペットを歩くの?」とメッセージを送ったところ、「歩けない。11月末まで通院と自宅療養で外に出ません。誰とも会いません」
この時点で私は、まさかと思いつつも、覚悟せざるを得なかった。

28日の告別式。
ユーミンの曲ではないが「悲しいくらいお天気」。
予想通り大勢の弔問客。M氏の人徳が偲ばれる。
短かったけど実にアッパレな濃密人生でした。

「で、オマエはこの先どーする?」
「オマエ、生き切ったといえるだけ頑張っているか?」
M氏からそう問いかけられているような帰路だった。

ここまで書くとM氏があたかも聖人君子のように思えるが、最後に一言だけ。
「でも、女癖はすさまじく酷かったよな!」

天国でまた会いましょう。
私がそこに行けるかが大問題ですが。
R.I.P

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