いつもご覧下さり、誠に有難うございます!
決算分析は4Qにやるとして、今回はIR資料を見て「なるほどなぁ」と感心したことがあったので、備忘も兼ねてそれをご紹介します。
結論は、会計基準としてIFRSを採用すると、多額の賃借料を払っている会社は営業キャッシュフローの見栄えが良くなるかも!ということです。
どういうことか、次の資料で簡単にご説明しましょう。
RIZAPはIFRSを採用しているため、チョコザップ出店等に伴う賃借料については、日本のように期間費用ではなく、IFRS16号(リース会計)に基づき使用権として資産計上され、減価償却していくことになります。
これは会計処理が変わるだけで、実際の賃借料の授受といったお金の動きには何ら関係がありません。ですから、キャッシュフロー計算書への影響もないだろう?と思われるかもしれません。
ところがどっこい!
3Qの営業キャッシュフローをご覧下さい。
IFRS16号による押上げ効果が3,530百万円もあるんです!
IFRS16号が無ければ、▲4,564百万円もの大赤字だったのです。
新たにキャッシュの出入りがあるわけではありませんが、キャッシュフロー計算書上の表示区分に影響があるのです。
①日本基準では賃借料支出はキャッシュを伴う費用として営業キャッシュフローを押し下げているが、IFRS16ではこれがなくなる。
②新たに発生する使用権資産の減価償却費は営業キャッシュフローに加算される。
なので、多額の賃借料を払っている会社は、①②だけで十分、営業キャッシュフローの見栄えが良くなる。
その他、
・リース負債の返済による支出は、財務キャッシュフローの支出増となる
・支払利息の計上は、営業または財務キャッシュフローの支出増となる
といったことも含めて、キャッシュフローの表示で組み替えが起きるんですわ。
もちろん、バランスシート面では使用権が資産計上されるため、自己資本比率といった財務指標が悪化することとなります。
しかし、利益・営業キャッシュフローの黒字を急ぎたいRIZAPとしてはIFRS採用のメリットは大きかったのではないでしょうか。
私も、利益の質を見る上で営業キャッシュフローは重視しますからね。
日本でもIFRS16号に準じた新リース会計の導入が予定されていますのでいい目慣らしかと。
それてはまた。
有難うございました!