まずは本日の日経記事、その後コメント。
今まで中央青山が放置していたほうが問題ではないでしょうか。
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日興の損益不明確なSPC、中央青山が連結対象化を要請
日興コーディアルグループが投資事業で活用している特別目的会社
(SPC)について、グループ監査を担当している中央青山監査法人が
連結決算の対象にするよう要請したことが明らかになった。
このSPCは連結決算の対象外で、多額の金融取引をしているにもかかわらず
損益状況がはっきりしない。
経営実態を正しく反映するには連結対象にする必要があると判断した。
このSPCは投資事業を手がけるNPIホールディングス(NPIH)。
日興コーディアルの100%子会社である日興プリンシパル・インベストメンツ
(NPI)が設立したペーパーカンパニーで、日興本体からみると孫会社にあたる。 (07:03)
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(コメント)
①このSPCの仕組みを同記事から整理しますと、次のようになります。
<NPI>
・昨年9月までにコールセンター大手ベルシステム24の株式720万株超を取得
・連結対象から外れているNPIHとの間でベル株の値動きに応じて
損益が変わるデリバティブ(金融派生商品)契約を締結。
・04年9月時点で評価益140億円!
→しかし、グループ内で損益トントンとなる取引なのでNPIHは同額の損失!
<日興コーディアル>
・連結対象はNPIなので、同社の利益だけが連結。
・投資事業に関連して保有している株式は連結対象にしなくてよいので、
NPIHは連結対象外。つまり、いいとこ取り。
②この記事を見て97年に破綻した「山一證券」を思い出しました。
含み損をペーパーカンパニーへ「飛ばし」、結果としてそれが
▲2600億円強まで膨んでしまい、これが破綻の引き金を引きました。
日興がどういう意図でこんな馬鹿げたスキームを採ったのか確認する
必要がありますが、金額的には小さく、事なきを得るのでしょう。
でも、歴史は繰り返すんですね。
これが証券業の体質なのでしょうか。
中央青山も監査の厳格化をしたことによって炙り出されたとしたら
情けない。この手合いは悪質ですからもっと早く連結化を要請すべきでした。
ちなみに山一證券の監査も中央青山がやっておりました。
③やや脱線しますが、28日の日経に「SPCに規制論議」という記事が
ありました。
SPCはブラックボックス化しやすく、エンロンが決算操作に使った仕組み
とあって会計士業界での評判は悪い。
不動産業界では、開発用SPCを利用することにより、バランスシートに
乗らない借入金が本体の借入金総額を上回る不動産会社すらあるとのこと。
実際にSPCが全体で何社あるかもわからない状況だとか。
このため、日本公認会計士協会が「母体企業が実質支配している不動産
開発用SPCは連結対象にすべき」といった提言を出すなど規制論議が
高まっております。
国際的に見て会計・開示ルールに出遅れ感は強い。
今後、規制強化が進めばいろいろなウミが炙りだされることでしょう。
石川五右衛門ではありませんが、「世に粉飾の種はつきまじ」ですかね。
今まで中央青山が放置していたほうが問題ではないでしょうか。
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日興の損益不明確なSPC、中央青山が連結対象化を要請
日興コーディアルグループが投資事業で活用している特別目的会社
(SPC)について、グループ監査を担当している中央青山監査法人が
連結決算の対象にするよう要請したことが明らかになった。
このSPCは連結決算の対象外で、多額の金融取引をしているにもかかわらず
損益状況がはっきりしない。
経営実態を正しく反映するには連結対象にする必要があると判断した。
このSPCは投資事業を手がけるNPIホールディングス(NPIH)。
日興コーディアルの100%子会社である日興プリンシパル・インベストメンツ
(NPI)が設立したペーパーカンパニーで、日興本体からみると孫会社にあたる。 (07:03)
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(コメント)
①このSPCの仕組みを同記事から整理しますと、次のようになります。
<NPI>
・昨年9月までにコールセンター大手ベルシステム24の株式720万株超を取得
・連結対象から外れているNPIHとの間でベル株の値動きに応じて
損益が変わるデリバティブ(金融派生商品)契約を締結。
・04年9月時点で評価益140億円!
→しかし、グループ内で損益トントンとなる取引なのでNPIHは同額の損失!
<日興コーディアル>
・連結対象はNPIなので、同社の利益だけが連結。
・投資事業に関連して保有している株式は連結対象にしなくてよいので、
NPIHは連結対象外。つまり、いいとこ取り。
②この記事を見て97年に破綻した「山一證券」を思い出しました。
含み損をペーパーカンパニーへ「飛ばし」、結果としてそれが
▲2600億円強まで膨んでしまい、これが破綻の引き金を引きました。
日興がどういう意図でこんな馬鹿げたスキームを採ったのか確認する
必要がありますが、金額的には小さく、事なきを得るのでしょう。
でも、歴史は繰り返すんですね。
これが証券業の体質なのでしょうか。
中央青山も監査の厳格化をしたことによって炙り出されたとしたら
情けない。この手合いは悪質ですからもっと早く連結化を要請すべきでした。
ちなみに山一證券の監査も中央青山がやっておりました。
③やや脱線しますが、28日の日経に「SPCに規制論議」という記事が
ありました。
SPCはブラックボックス化しやすく、エンロンが決算操作に使った仕組み
とあって会計士業界での評判は悪い。
不動産業界では、開発用SPCを利用することにより、バランスシートに
乗らない借入金が本体の借入金総額を上回る不動産会社すらあるとのこと。
実際にSPCが全体で何社あるかもわからない状況だとか。
このため、日本公認会計士協会が「母体企業が実質支配している不動産
開発用SPCは連結対象にすべき」といった提言を出すなど規制論議が
高まっております。
国際的に見て会計・開示ルールに出遅れ感は強い。
今後、規制強化が進めばいろいろなウミが炙りだされることでしょう。
石川五右衛門ではありませんが、「世に粉飾の種はつきまじ」ですかね。
この世の最後の審判の日には、閻魔様まで、
ペテン師で巻き上げられるでしょうね。
カール シファキス著
詐欺とペテンの大百科
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4791759168/qid=1135824077/sr=8-1/ref=sr_8_xs_ap_i1_xgl/503-8938719-8993569
がよろしいかと。
永遠の法則・・・詐欺師にだまされるのは
楽して儲けようと思う根性があるからという
ことです。
でも、姉歯物件なんて素人では耐震偽装は
わからないですよね。