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食品業界の連結キャッシュフロー分析に思う

2006-08-04 | 会計・株式・財務
すいません、飲み会のため更新が遅れました。

私が毎日ウォッチしている「経済レポート専門ニュース」のサイトを見ていましたら
http://www3.keizaireport.com/
日本総研さんのレポート
「連結キャッシュフロー計算書を利用した企業経営分析-食品業界20社のケース・スタディ」
が目に留まりました。

業種単位でキャッシュフロー分析をされているレポートは余り見ませんので
非常に新鮮に感じた次第です。

レポート概要はHPに掲載されているのでご確認頂き下さい。 http://www.jri.co.jp/JRR/2006/08/st-cf.html

このうち私が興味深いと思ったのは次の点です。

① 営業キャッシュフローと会計キャッシュフロー(当期純利益+減価償却)との間
    にはかなりの格差が存在し、会計キャッシュフローを用いて企業の資金流出入
    状況を考察することは不適切。

② 営業キャッシュフローと会計キャッシュフローのギャップとの差額である
    「キャッシュフロー・ギャップ」では対象19社中6社がマイナス、
   すなわち、本来、流入すべき現金が確保されていない。

③ 営業キャッシュフローと投資キャッシュフローとの差額で定義される
    「フリー・キャッシュフロー」は、将来的な利益予測に対し示唆的な情報を
    与えている。

④ キャッシュフロー創出力は、「キャッシュフロー・マージン」から強い影響を
    受けていること、そして、「キャッシュフロー・ギャップ」や「フリー・キャッシュフロー」
    とシステマティックな関係にあること、

確かに、キャッシュフロー情報に基づく経営分析が投資家に有用な新情報を与えていそうですね。
食品業界は比較的売上高もキャッシュフローも安定しているような印象がありますので分析対象としては最も好適かも知れません。

この手の分析って、セルサイドのレポートでは余り見られませんので、
上記の指摘事項が他の業種でも当てはまるのかを検証するだけでも、
結構面白いかも知れません。

まずは私もこの論考本文を入手して研究してみますか。

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