最近何やら勉強法ブームのようでして、いろんなノウハウ本が書店の店頭を賑わしております。その中でもこの本は結構売れているようです。
著者の勝間さんは知る人ぞ知る方でして、公認会計士で元外資系の株式アナリスト、そして最近では株式会社監査と分析という会社で機関投資家などに対して財務分析サービスも行っております。
私も1度、無料セミナーで「会計リスク」に関する非常に面白いお話を伺ったことがあります。この話は後ほど少ししましょう。
その勝間さんが新たな本を出しました。それがこの本。
以下、少々長いですが「内容紹介」を全文コピペしました。
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決算書の読み方にはコツがある。このコツさえわかってしまえば、たとえあなたが簿記3級すら持っていなくても、まるで上質のミステリー小説を読むように楽しみながら、決算書に隠された暗号を解くことができる。
決算書の暗号が解ければ、会社側の動機とトリックが見えてくる。そうやって手に入れたメッセージは、本物のミステリー小説に負けず劣らず興味深いものだ。なかには、あまりの仕掛けの巧妙さに思わず唸ってしまうものもある。
ぜひあなたも、本書でその醍醐味を味わってほしい。なによりそうやって利益の質を見抜くことが、インチキな会計を暴き、あなた自身の大切なお金を守ることになるのだから。
「会計上の利益は信頼のおけるもの。だって、会計ルールがちゃんと決まっているうえに、会計士も監査しているし」。もしもあなたがそう思って決算書を見ているとしたら、ちょっと危ないかもしれない。現行の会計制度では、厳しく会計処理をすれば赤字のものも、甘く処理をすることで黒字に見せることがけっこう簡単にできてしまうからだ。
「それは粉飾なのでは」と思われただろうか? もちろん、制度で認められていない処理を行えば、それは粉飾になる。しかしそこまでいかなくとも、制度で認められたことを積み重ねて、合法的に利益の捻出や利益隠しをすることは可能だ。2006年1月に違法性が明るみになったライブドアの名をあげるまでもなく、グレーゾーンのテクニックを駆使することでギリギリの会計処理をしている会社は意外に多い。
地道に努力している会社が知名度の低さゆえに資金繰りに苦労する一方で、どんな手段を使ってでも増収増益をしているように見せかける会社のもとにはどんどんお金が集まる――こんな現実を、あなたはどこかアンフェアだと感じないだろうか? そう、企業の利益は、「金額」もさることながら「質」こそが大切なのだ。
利益の質を見抜ければ、「ダメ株をつかまされた……」と後悔することもなくなる。あるいは、一見すると同業他社よりも見劣りしているけれど、実はコツコツと努力をして成長している誠実な会社を見つけられるようになる。そしてなにより、正直な会社に投資をしたほうが高いリターンを得られるのだ。
このように、利益の質を見抜くさいの手がかりになるのが「決算書」だ。その会社が何を考え、これから何をしようとしているのか。経営者の強気発言はただのハッタリなのか、それともちゃんとした根拠があるのか。そして、私たちが投じたお金は、それ以上のリターンとなって将来戻ってくるのか。これらすべての答えは、決算書の数字のなかに隠されている。
これまで、「決算書はむずかしくて歯が立たない」と感じていたあなた。あなたも本書で、決算書の暗号を解く鍵を手に入れてはいかがだろうか?
大丈夫、たとえいまは無味乾燥な数字の羅列にしか見えない財務諸表も、プロのアナリストや会計士になったつもりで著者と一緒に読みこなしていくうちに、その数字の向こう側にいる生身の経営者や社員たちの姿が、きっとあなたにも見えてくるはずだ。
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(引用終り)
・・・・・・・というものでして、私が前から何度か取り上げている「利益の質」のアプローチから決算書を深く分析できるよう、初心者にも分かるように書かれた本です。
別に私はこの本を宣伝するつもりは無いのですが、正直、「ここまで来たか」という思いが強いです。単なる定量的な財務分析に飽き足らず、プロの領域だと勝手思っていた「利質分析」の世界にも一般の方々が流れ込んで来るからです。
そしてこの先、益々、プロとアマの垣根が無くなっていくんでしょうね。
・・・・と言っても「利質」分析が良く分からない!という方に、
既述のセミナーで聞いた
「企業による合法的な利益操作の手法」を簡単にご紹介しておきます。
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前提:会計制度が現在の複雑なビジネスに対応し切れていないことなどから、企業が合法的に利益操作ができる余地がある(利益は上下30%は操作可能だと)。
■利益操作の方法その1 「赤字を黒字にする方法」
・黒字の会社を買って合併する(のれんが発生したらなるべく長期間で償却)
・人件費その他の費用を資産計上に切り替える
・会計基準を変更する(例:貸倒引当金の計上基準を緩和)
・減価償却を定率法から定額法に変える。
・翌期の売上を当期の売上に計上する(値引きや信用条件を甘くするなどで契約変更)
■利益操作の方法その2 「バレない売上拡大の3大テクニック」
・来期以降から今期への移転
(長期契約などでサービスを提供していないに部分も収益計上)
・総額表示の利用(収益費用を純額で表示すべきものを総額表示して売上をカサ上げ)
・頼れる仲間の活用(関係会社や利害関係者への販売)
■合法的な費用圧縮の3大テクニック
・PLからBSへの移転
・当期から来期以降への移転
(会計方針を変更して、当期の費用を過去の会計年度に移す=過年度損益修正損)
→こうすることで販売管理費から特別損失に飛ばしで、営業利益・経常利益は増加
・そもそも無かったことにする(製品保証引当金の計上を十分に行わない等)
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以上の情報も参考にして決算書を読むと面白くなるのではないでしょうか。
そのうちまた昔のように実例を使って説明したいと思います。
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著者の勝間さんは知る人ぞ知る方でして、公認会計士で元外資系の株式アナリスト、そして最近では株式会社監査と分析という会社で機関投資家などに対して財務分析サービスも行っております。
私も1度、無料セミナーで「会計リスク」に関する非常に面白いお話を伺ったことがあります。この話は後ほど少ししましょう。
その勝間さんが新たな本を出しました。それがこの本。
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以下、少々長いですが「内容紹介」を全文コピペしました。
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決算書の読み方にはコツがある。このコツさえわかってしまえば、たとえあなたが簿記3級すら持っていなくても、まるで上質のミステリー小説を読むように楽しみながら、決算書に隠された暗号を解くことができる。
決算書の暗号が解ければ、会社側の動機とトリックが見えてくる。そうやって手に入れたメッセージは、本物のミステリー小説に負けず劣らず興味深いものだ。なかには、あまりの仕掛けの巧妙さに思わず唸ってしまうものもある。
ぜひあなたも、本書でその醍醐味を味わってほしい。なによりそうやって利益の質を見抜くことが、インチキな会計を暴き、あなた自身の大切なお金を守ることになるのだから。
「会計上の利益は信頼のおけるもの。だって、会計ルールがちゃんと決まっているうえに、会計士も監査しているし」。もしもあなたがそう思って決算書を見ているとしたら、ちょっと危ないかもしれない。現行の会計制度では、厳しく会計処理をすれば赤字のものも、甘く処理をすることで黒字に見せることがけっこう簡単にできてしまうからだ。
「それは粉飾なのでは」と思われただろうか? もちろん、制度で認められていない処理を行えば、それは粉飾になる。しかしそこまでいかなくとも、制度で認められたことを積み重ねて、合法的に利益の捻出や利益隠しをすることは可能だ。2006年1月に違法性が明るみになったライブドアの名をあげるまでもなく、グレーゾーンのテクニックを駆使することでギリギリの会計処理をしている会社は意外に多い。
地道に努力している会社が知名度の低さゆえに資金繰りに苦労する一方で、どんな手段を使ってでも増収増益をしているように見せかける会社のもとにはどんどんお金が集まる――こんな現実を、あなたはどこかアンフェアだと感じないだろうか? そう、企業の利益は、「金額」もさることながら「質」こそが大切なのだ。
利益の質を見抜ければ、「ダメ株をつかまされた……」と後悔することもなくなる。あるいは、一見すると同業他社よりも見劣りしているけれど、実はコツコツと努力をして成長している誠実な会社を見つけられるようになる。そしてなにより、正直な会社に投資をしたほうが高いリターンを得られるのだ。
このように、利益の質を見抜くさいの手がかりになるのが「決算書」だ。その会社が何を考え、これから何をしようとしているのか。経営者の強気発言はただのハッタリなのか、それともちゃんとした根拠があるのか。そして、私たちが投じたお金は、それ以上のリターンとなって将来戻ってくるのか。これらすべての答えは、決算書の数字のなかに隠されている。
これまで、「決算書はむずかしくて歯が立たない」と感じていたあなた。あなたも本書で、決算書の暗号を解く鍵を手に入れてはいかがだろうか?
大丈夫、たとえいまは無味乾燥な数字の羅列にしか見えない財務諸表も、プロのアナリストや会計士になったつもりで著者と一緒に読みこなしていくうちに、その数字の向こう側にいる生身の経営者や社員たちの姿が、きっとあなたにも見えてくるはずだ。
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(引用終り)
・・・・・・・というものでして、私が前から何度か取り上げている「利益の質」のアプローチから決算書を深く分析できるよう、初心者にも分かるように書かれた本です。
別に私はこの本を宣伝するつもりは無いのですが、正直、「ここまで来たか」という思いが強いです。単なる定量的な財務分析に飽き足らず、プロの領域だと勝手思っていた「利質分析」の世界にも一般の方々が流れ込んで来るからです。
そしてこの先、益々、プロとアマの垣根が無くなっていくんでしょうね。
・・・・と言っても「利質」分析が良く分からない!という方に、
既述のセミナーで聞いた
「企業による合法的な利益操作の手法」を簡単にご紹介しておきます。
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前提:会計制度が現在の複雑なビジネスに対応し切れていないことなどから、企業が合法的に利益操作ができる余地がある(利益は上下30%は操作可能だと)。
■利益操作の方法その1 「赤字を黒字にする方法」
・黒字の会社を買って合併する(のれんが発生したらなるべく長期間で償却)
・人件費その他の費用を資産計上に切り替える
・会計基準を変更する(例:貸倒引当金の計上基準を緩和)
・減価償却を定率法から定額法に変える。
・翌期の売上を当期の売上に計上する(値引きや信用条件を甘くするなどで契約変更)
■利益操作の方法その2 「バレない売上拡大の3大テクニック」
・来期以降から今期への移転
(長期契約などでサービスを提供していないに部分も収益計上)
・総額表示の利用(収益費用を純額で表示すべきものを総額表示して売上をカサ上げ)
・頼れる仲間の活用(関係会社や利害関係者への販売)
■合法的な費用圧縮の3大テクニック
・PLからBSへの移転
・当期から来期以降への移転
(会計方針を変更して、当期の費用を過去の会計年度に移す=過年度損益修正損)
→こうすることで販売管理費から特別損失に飛ばしで、営業利益・経常利益は増加
・そもそも無かったことにする(製品保証引当金の計上を十分に行わない等)
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以上の情報も参考にして決算書を読むと面白くなるのではないでしょうか。
そのうちまた昔のように実例を使って説明したいと思います。
http://www.amazon.co.jp/Financial-Shenanigans-Accounting-Gimmicks-Reports/dp/0071386262/ref=sr_1_1/249-2738122-5661925?ie=UTF8&s=english-books&qid=1193440930&sr=8-1