◆「財務アナリストの雑感」 2024◆

会計士兼アナリストによる屈指の歴史だけがウリの会計・財務・株式・金融ブログ。異常な経済金融環境を一刀両断!できるかな?

歌舞伎座は歌舞伎町にはない

2009-01-16 | 会計・株式・財務

お疲れ様です。



本題に入る前に・・・・。

最近の西松建設を巡るニュース。

次から次へといろいろな問題が連日湧き上がっていて大変ですね。



さながら


「不始末建設」。
 







ダメか・・・・。
このダジャレで勤務先では新人さんの笑いを取ったんですけどね。



さて本題。

週刊東洋経済2009.1.17号P.93に
「歌舞伎座の上場維持に身を削る松竹の不可解」という
興味深い記事がありましたので簡単にご紹介とコメント。
詳細は現物でご確認ください。

ポイントを整理しますと、こんな具合。
-----------------------------------------------------------------------

◆現在
  ・歌舞伎座は松竹の持分法適用関連会社。
   松竹の会長が、歌舞伎座の社長を兼務。
  ・松竹は歌舞伎座を賃借などして歌舞伎興行収入は250億円。
   松竹は歌舞伎座に年間6.5億円の賃借料を支払っている。

◆歌舞伎の興行主・松竹と大家の㈱歌舞伎座が、
 老朽化した歌舞伎座建物を取り壊して再開発することになった。
 新歌舞伎座だけでなく、松竹が新歌舞伎座に隣接する高層ビルを建設する。
 
 建て替えのため、松竹にとって歌舞伎座での興行収入はゼロ。
 歌舞伎座サイドでも賃貸建物がないので、本来であれば無収入となる。

◆ところが、
 建て替え開始する2010年からの3年間、
 松竹は100%出資のSPC(オフィス棟建設目的)を介して、
 歌舞伎座に建設用土地の賃借料を年20億円も支払う計画。
 
 これにより、東証2部に上場している歌舞伎座の上場維持が図られると。

◆本来であれば、実質的な親会社である松竹がTOBをかけて完全子会社化
 すべきであったが、
 歌舞伎座には優待券プレミアムや不動産含み益があり時価総額500億円と、
 松竹790億円に迫る高水準にあり、TOBの障害となっている。

◆しかしそうなると、期間利益を全く得られないビル建設用地を借りるため
 毎年20億円支払うことにあるため、
 松竹の株主と㈱歌舞伎座の株主との間で利益相反が起きると。
 経営陣は株主への説明責任があると。
----------------------------------------------------------------------

(コメント)

◎記事が指摘しているように、土地賃借料20億円は事実としたらちょっと
マズイでしょう。芸を見せる会社なのに、余りに芸がなさすぎる。
 税務上も問題ありそうですし。



◎そこまでして歌舞伎座の上場を維持したいのでしたら、どうでしょうか、
 こんな手は。

 あくまで机上の空論ですけど。

まず、㈱歌舞伎座の定款を変更して、保有不動産の売買を本業の一部とする。
というのも、歌舞伎座は再開発用の土地の6割を保有(4割が松竹)しており、
不動産の含みを持っているようです。

であれば、年20億円程度売却益が上がるように
保有不動産を松竹に売却すればいいのではないでしょうか。
不動産売買も営業の一部として歌舞伎座の売上・営業利益を構成しますからね。



 でも、マヌケな私でも思いつくこの方法がとれないのですから、
 ちょっと根が深い問題なのかも知れませんね。 



○まっ、ともかく、この問題に解消の目途が立つまでは、投資対象として
 松竹-BUY (梅)とは言えないんでしょうな。



○蛇足ですが、
 急激な売上・利益減に直面する企業が増えているだけに、
 それなりの不動産を保有している事業会社では、
 一時しのぎとして、不動産を固定資産から販売用に振り替えて 
 営業利益のタシにするってケース、今後増えてきそな予感がします。




なかのひと

※スポンサーリンク、「もしご興味のあるものがございましたら」クリック下さいね。
                            
                           

コメント (1)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« なんと!「投資川柳」に佳作... | トップ | イトーヨーカ堂のディスカウ... »
最新の画像もっと見る

1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
はじめまして。 (ナットウ)
2009-01-16 01:40:19
勝手にコメントすいません(汗)

今、私は学生で、会計の事を勉強しているのですが、1つ分からないことがあります。財務会計論の、継続性の原則の問題点が分からないのです。つまらない質問ですが、もし、時間があり、お答え頂けるのなら嬉しいです。
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

会計・株式・財務」カテゴリの最新記事