いつもご覧くださり誠に有難うございます。
また、能登半島地震で被害に遭われた方におかれましてはお見舞い申し上げます。
会計士の継続教育研修単位がまだ残っているため、本日は「新しい資本主義の下での適正分配経営」についてのe-learning研修を受けました。
結論申し上げますと、近年受けた研修の中で最高クラスのものでした。
私自身、これまで過剰なまでの株主還元、強欲資本主義等に強い不快感を感じておりましたので、よくぞ言ってくれた!という思いが強いです。
講師のスズキトモ氏はスタンフォード大学での長らく教鞭をとられ、現在は早大の教授をされております。
私のブログの閲覧者の中には、監査法人以外の事業会社にお勤めになっている組織内会計士の先生方もいらっしゃるかと思います。ぜひCPDを受講頂き、所属する企業の経営の在り方を見直す契機となれば幸いです。
また、能登半島地震で被害に遭われた方におかれましてはお見舞い申し上げます。
会計士の継続教育研修単位がまだ残っているため、本日は「新しい資本主義の下での適正分配経営」についてのe-learning研修を受けました。
結論申し上げますと、近年受けた研修の中で最高クラスのものでした。
私自身、これまで過剰なまでの株主還元、強欲資本主義等に強い不快感を感じておりましたので、よくぞ言ってくれた!という思いが強いです。
講師のスズキトモ氏はスタンフォード大学での長らく教鞭をとられ、現在は早大の教授をされております。
3年前に関経連からの委託で行った「新しい資本主義」についての研究報告書が非常に素晴らしく、これを書籍化したものも「新しい資本主義のアカウンティング」として上梓されております(見出し画像はその書籍の表紙です)。
新しい資本主義といいますと、岸田政権が成立当初、標榜していた改革案の1つであり、結果的に投資家からは、物凄い批判を受けたものではあり、良いイメージを持たれてない方が多いかと思います。
しかし、よくよく内容を見ますと非常に理に適ったものとなっており、海外を中心に機関投資家から批判を受けた真の理由も理解できました。意味不明な定額減税について私もかなりボロクソに叩いている岸田政権ではありますが、数少ないまともな政策の1つであると言うことを再認識した次第であります。
研修内容は23年4月に経団連向けに行った講義とほぼ同様の内容ですので、お時間のある方はぜひこの動画を御覧下さい。
↓ ↓ ↓
経団連講演ビデオ(80分) 「新しい資本主義」の経営 株主利益偏重からの脱却に向けて
自分の備忘のために、講義内容の中でを私なりに印象に強く残った点を書き残しておきます(上記講義ビデオの10分当たりのスライド)。
-------------------------------
利益とは株主に帰属する付加価値に過ぎない。
ROEの最大化は役員、従業員、事業法人に帰属する付加価値を抑制してしまう。
分厚い中間層の回復・三方良し・社会的インパクトを増加するために利益の最大化ではなく付加価値の拡大とその適正分配を目標とする経営の推進が必要。
「利益」➔「付加価値」へのシフト
✕「成長なければ分配無し」
〇「適正分配無くして成長なし」
具体例:
無理なROE向上策 ✕
無理な赤字配当 ✕
無制限の自社株買い ✕
一律のPBR1倍割れ基準 ✕
付加価値の適正分配経営(DS経営) 〇
※DS=付加価値分配
---------------------------------
要するに、近年の株主還元は余りに行き過ぎていないか?
むしろ従業員・役員、事業法人に帰属する付加価値を重視した経営を目指そう!
その考えの背景となるデータがふんだんに使われており、非常に説得力・納得感があります。
中でも、個別企業の実際の財務データを基に企業の生産する付加価値が「誰に」どれくらい分配されているかを示すDSシミュレーターを無料開示しております(証券コードを入れると個別のグラフが表示されます)。 近年、株主還元の美名のもとにいかに搾取されているか手に取るようにわかりますから。
次に各ステークホールダーに対する分配率を変えることで、適正分配経営を策定するためのデータも提供されます。
新しい資本主義といいますと、岸田政権が成立当初、標榜していた改革案の1つであり、結果的に投資家からは、物凄い批判を受けたものではあり、良いイメージを持たれてない方が多いかと思います。
しかし、よくよく内容を見ますと非常に理に適ったものとなっており、海外を中心に機関投資家から批判を受けた真の理由も理解できました。意味不明な定額減税について私もかなりボロクソに叩いている岸田政権ではありますが、数少ないまともな政策の1つであると言うことを再認識した次第であります。
研修内容は23年4月に経団連向けに行った講義とほぼ同様の内容ですので、お時間のある方はぜひこの動画を御覧下さい。
↓ ↓ ↓
経団連講演ビデオ(80分) 「新しい資本主義」の経営 株主利益偏重からの脱却に向けて
自分の備忘のために、講義内容の中でを私なりに印象に強く残った点を書き残しておきます(上記講義ビデオの10分当たりのスライド)。
-------------------------------
利益とは株主に帰属する付加価値に過ぎない。
ROEの最大化は役員、従業員、事業法人に帰属する付加価値を抑制してしまう。
分厚い中間層の回復・三方良し・社会的インパクトを増加するために利益の最大化ではなく付加価値の拡大とその適正分配を目標とする経営の推進が必要。
「利益」➔「付加価値」へのシフト
✕「成長なければ分配無し」
〇「適正分配無くして成長なし」
具体例:
無理なROE向上策 ✕
無理な赤字配当 ✕
無制限の自社株買い ✕
一律のPBR1倍割れ基準 ✕
付加価値の適正分配経営(DS経営) 〇
※DS=付加価値分配
---------------------------------
要するに、近年の株主還元は余りに行き過ぎていないか?
むしろ従業員・役員、事業法人に帰属する付加価値を重視した経営を目指そう!
その考えの背景となるデータがふんだんに使われており、非常に説得力・納得感があります。
中でも、個別企業の実際の財務データを基に企業の生産する付加価値が「誰に」どれくらい分配されているかを示すDSシミュレーターを無料開示しております(証券コードを入れると個別のグラフが表示されます)。 近年、株主還元の美名のもとにいかに搾取されているか手に取るようにわかりますから。
次に各ステークホールダーに対する分配率を変えることで、適正分配経営を策定するためのデータも提供されます。
私のブログの閲覧者の中には、監査法人以外の事業会社にお勤めになっている組織内会計士の先生方もいらっしゃるかと思います。ぜひCPDを受講頂き、所属する企業の経営の在り方を見直す契機となれば幸いです。
要するに、上場企業勤務の公認会計士の先生方には、新しい資本主義のリーダーになって頂きたいなと。
新しい資本主義が発表当初に海外投資家に叩かれた理由は明確です。
自分たちにとって「極めておいしいビジネス」が荒らされるからです。
海外投資家に搾取され続けている現状を打破するためにも、付加価値の適正分配経営への転換は急務かと思われます。
新NISAであれこれ投資対象を検討される方も多いでしょうが、私ならすでに海外投資家に食い荒らされている高配当会社よりも、付加価値の適正分配を真剣に検討している会社群にフォーカスを当てますね。前者は食いつくされてポイっという可能性は高いかと。実際にDSシミュレータを見てみますと、高還元が終わると株価が下落しているケースが散見されます。
(まぁ、投資判断はご自身の責任でお願いしますね)
新しい資本主義が発表当初に海外投資家に叩かれた理由は明確です。
自分たちにとって「極めておいしいビジネス」が荒らされるからです。
海外投資家に搾取され続けている現状を打破するためにも、付加価値の適正分配経営への転換は急務かと思われます。
新NISAであれこれ投資対象を検討される方も多いでしょうが、私ならすでに海外投資家に食い荒らされている高配当会社よりも、付加価値の適正分配を真剣に検討している会社群にフォーカスを当てますね。前者は食いつくされてポイっという可能性は高いかと。実際にDSシミュレータを見てみますと、高還元が終わると株価が下落しているケースが散見されます。
(まぁ、投資判断はご自身の責任でお願いしますね)
この本はマジにオススメです!