長らく更新しないで、大変失礼しました。
本業が多忙を極めていたことと、私もエントリーさせて頂いているblogos financeで思い出したように過去ネタがランキング上位に出ては消えていたものですから「まぁ、更新しなくていいか」と思っていた次第であります。
(ソフトバンクとすき家ネタはリピーターが多いですね。)
ただ、さすがに決算発表シーズンを迎え、いろいろとネタが湧いてきましたので、久々に更新することとしましょう。
今回はヤマダ電機<9831>
12日に決算が発表されました。
まずは日経記事から。
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ヤマダ電機の11年3月期、純利益26%増 エコポイント追い風
2011/5/12
ヤマダ電機が12日発表した2011年3月期の連結決算は、純利益が前の期と比べ26%増の707億円だった。家電エコポイント効果でエアコンや薄型テレビが好調だった。東日本大震災に伴い店舗、商品在庫の損傷など39億円の特別損失を計上したが、本業の好調で吸収し、過去最高益となった。年間配当は36円増やし、76円とする。
売上高は7%増の2兆1532億円、経常利益は36%増の1378億円でともに過去最高。エコポイント制度と夏場の猛暑が追い風となりエアコンが37%増、テレビが10%増と好調だった。販売費・一般管理費の削減も利益を押し上げた。
12年3月期の売上高はほぼ横ばいの2兆1540億円、経常利益は前期比2%増の1400億円となる見通し。エコポイント効果の反動で既存店売上高は1割ほど減りそうだが、前期の3倍強にあたる130店超の新規出店で補う。物流や配送を効率化し、増益を見込む。
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決算短信はコチラから→ 短信
HPには「決算短信 サマリー」と「決算短信 全文」があって全文を選択したのですが、
全文でもわずか18枚。これがサマリーなのでは?とさえ思いました。
昨年の決算短信は32枚あり、注記もそれなりにありました。
これは私の邪推ですが、じっくり見てほしくない、との思いがあるかも知れないね。
そう思った理由は、私が一番見たかった販売管理費の主な内訳の開示が無かったため。
(昨年は短信でもちゃんと開示していました。)
今回のヤマダ電機の決算の特徴は、増収増益というけれど、
実は粗利益は前年比▲50億円減益です。この一方で、販管費をなんと▲404億円も圧縮させているのです。
店舗増・人員増の中でこの実績には驚かされます。
・・・・となると次は「一体、何を削減したのか?」ってことになりますよね?
それがさっぱり分からないのが今回の決算短信なのです
まぁ、ヒントとしては第3四半期の有価証券報告書の注記がありまので、そこから類推するのが近道なのでしょう。
3Q有報の29枚目に販管費明細があります。
この中で前年から大きく減っているものを見ると・・・・・。
「ポイント販促費」。
なんと前年の1,152億円から656億円へと496億円も減らしています。
他の費目はほとんどが増加していますから、ほぼポイント販促費で説明が付くというワケです。
会社の戦略として、ポイント付与でなく、ケーズデンキのように現金値引(粗利益率の悪化)にシフトさせているのだろう、
といったことが容易に推察されます。それ自体は特に違和感はありません。
であれば販管費注記も開示すればいいだけです。
ではなぜこの程度の注記すら開示しないのか? 不思議です。
そしてもう一つ気になることが。
ポイント販促費を大幅に圧縮したのであれば、期末のポイント引当金残高もそれなりに大幅減となっていてもいいはずですが、僅か10億円しか減っていません(引当金残高175億円)。
ポイント引当金の計上方法はむしろ厳しく(=引当金繰入額増加)なったのでしょうか?それとも今までの算定方法が甘くて今期は厳しくしたのでしょうか? ポイント使用実績等が大きく変化したのでしょうか。
だとしたら、昨年までのポイント引当金の決算処理は妥当だったのでしょうか?
・・・・・とまぁ、今回も個人的にツッコミを楽しめた決算短信。
有報が出て何か新しいことが分かればまたご紹介することとしましょう。
(参考の拙稿) 2010年12月 「ヤマダ電機の暴走」の果て
※スポンサーリンク、「もしご興味のあるものがございましたら」クリック下さいね。
本業が多忙を極めていたことと、私もエントリーさせて頂いているblogos financeで思い出したように過去ネタがランキング上位に出ては消えていたものですから「まぁ、更新しなくていいか」と思っていた次第であります。
(ソフトバンクとすき家ネタはリピーターが多いですね。)
ただ、さすがに決算発表シーズンを迎え、いろいろとネタが湧いてきましたので、久々に更新することとしましょう。
今回はヤマダ電機<9831>
12日に決算が発表されました。
まずは日経記事から。
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ヤマダ電機の11年3月期、純利益26%増 エコポイント追い風
2011/5/12
ヤマダ電機が12日発表した2011年3月期の連結決算は、純利益が前の期と比べ26%増の707億円だった。家電エコポイント効果でエアコンや薄型テレビが好調だった。東日本大震災に伴い店舗、商品在庫の損傷など39億円の特別損失を計上したが、本業の好調で吸収し、過去最高益となった。年間配当は36円増やし、76円とする。
売上高は7%増の2兆1532億円、経常利益は36%増の1378億円でともに過去最高。エコポイント制度と夏場の猛暑が追い風となりエアコンが37%増、テレビが10%増と好調だった。販売費・一般管理費の削減も利益を押し上げた。
12年3月期の売上高はほぼ横ばいの2兆1540億円、経常利益は前期比2%増の1400億円となる見通し。エコポイント効果の反動で既存店売上高は1割ほど減りそうだが、前期の3倍強にあたる130店超の新規出店で補う。物流や配送を効率化し、増益を見込む。
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決算短信はコチラから→ 短信
HPには「決算短信 サマリー」と「決算短信 全文」があって全文を選択したのですが、
全文でもわずか18枚。これがサマリーなのでは?とさえ思いました。
昨年の決算短信は32枚あり、注記もそれなりにありました。
これは私の邪推ですが、じっくり見てほしくない、との思いがあるかも知れないね。
そう思った理由は、私が一番見たかった販売管理費の主な内訳の開示が無かったため。
(昨年は短信でもちゃんと開示していました。)
今回のヤマダ電機の決算の特徴は、増収増益というけれど、
実は粗利益は前年比▲50億円減益です。この一方で、販管費をなんと▲404億円も圧縮させているのです。
店舗増・人員増の中でこの実績には驚かされます。
・・・・となると次は「一体、何を削減したのか?」ってことになりますよね?
それがさっぱり分からないのが今回の決算短信なのです
まぁ、ヒントとしては第3四半期の有価証券報告書の注記がありまので、そこから類推するのが近道なのでしょう。
3Q有報の29枚目に販管費明細があります。
この中で前年から大きく減っているものを見ると・・・・・。
「ポイント販促費」。
なんと前年の1,152億円から656億円へと496億円も減らしています。
他の費目はほとんどが増加していますから、ほぼポイント販促費で説明が付くというワケです。
会社の戦略として、ポイント付与でなく、ケーズデンキのように現金値引(粗利益率の悪化)にシフトさせているのだろう、
といったことが容易に推察されます。それ自体は特に違和感はありません。
であれば販管費注記も開示すればいいだけです。
ではなぜこの程度の注記すら開示しないのか? 不思議です。
そしてもう一つ気になることが。
ポイント販促費を大幅に圧縮したのであれば、期末のポイント引当金残高もそれなりに大幅減となっていてもいいはずですが、僅か10億円しか減っていません(引当金残高175億円)。
ポイント引当金の計上方法はむしろ厳しく(=引当金繰入額増加)なったのでしょうか?それとも今までの算定方法が甘くて今期は厳しくしたのでしょうか? ポイント使用実績等が大きく変化したのでしょうか。
だとしたら、昨年までのポイント引当金の決算処理は妥当だったのでしょうか?
・・・・・とまぁ、今回も個人的にツッコミを楽しめた決算短信。
有報が出て何か新しいことが分かればまたご紹介することとしましょう。
(参考の拙稿) 2010年12月 「ヤマダ電機の暴走」の果て
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今回のブログ記事の内容とは全っ然関係ないとは思うのですが…。
ハローワークでヤマダ電機の面白い?求人を見つけちゃいました。
…
賃金形態:250,000円~360,000円
雇用形態:正社員以外
必要な経験:経理・税務・決算実務5年以上
応募資格:公認会計士
仕事の内容:…(半年間)の業務状況により管理職登用を考えており
ます。
…
個人的には「正社員以外」で「半年間の業務状況により」って文言が妙に気になる木なのです。
『1年以内返済予定の長期借入金』を『その他』に
計上しているようです
その為、すべての負債を足して有利子負債を計算すると
『1年以内返済予定の長期借入金』分少なくなるみたいです
H22年度 負債を足した場合の有利子負債 2,308.52億
H22年度 実際の有利子負債 2,667.16億(有報から)
※リース債務除外
ヤマダ電機は数字のトリックが結構あっておもしろいです