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会計士兼アナリストによる屈指の歴史だけがウリの会計・財務・株式・金融ブログ。異常な経済金融環境を一刀両断!できるかな?

エキゾチック金融危機 in ジャパン

2008-10-23 | 会計・株式・財務
お疲れさまです。
昨日は1,360名様に冷やかしていただきました。
毎度毎度中身と独創性のない記事ばかりで恐縮です。


日経平均600円程度の下げに慣れてしまっている自分が怖い今日このごろ。
いかがお過ごしでしょうか、



まずは、セ・リーグのクライマックス・シリーズ第2ステージ。
3位の中日が1位の巨人に接戦で競り勝ち、1勝1敗のタイ。
この勢いですと、シーズン3位の中日が日本シリーズ出場という
前代未聞の事態となってしまう。

それでいいのかプロ野球。
いくら何でもそれでは日本シリーズは盛り上がらない。
巨人には頑張ってもらって、シリーズに出てもらいましょう。

というのも先日の拙稿「巨人メークレジェンドに思う」の通り、
日本経済の大転換期には巨人は西武に4連敗(90年)か4連勝(02年)して
いるのです。
で、昨今の金融情勢を見れば、今回は巨人が西武に大惨敗する可能性大。
これが日本経済から与えられた巨人の宿命だと思うからです。


もっとも、未曾有の最悪の結末という意味では、
巨人が中日に4連敗でジ・エンドというのも
サブシナリオとしてアリかも知れません。

(まっ、どのみち巨人には明るい結果は待っていないということですが)

結果はいかに。
さて本題。
昨日、ブックオフで前から気になっていたこの本を購入。
9月発行の本なのでさすがに105円ではありませんでしたが。


日本経済を襲うエキゾチック金融危機 (Mainichi Business Books) (Mainichi Business Books)
草野 豊己
毎日新聞社

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著者の草野氏は「週刊エコノミスト」への寄稿などを通じて
早くから警鐘を鳴らしていた人物。
間違いなく、今回の危機表面化でブレイクされたお一人でしょう。

人となりを知る意味で、ひと月前の情報ですが、
日経ヴェリタスonlineでのインタビューを以下にご紹介します。

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■「21世紀型金融危機」の様相、草野豊己氏に聞く(08/9/22) 

米リーマン・ブラザーズの経営破綻に端を発した世界金融危機の次の展開を
どう見るか。デリバティブ(金融派生商品)に詳しく、2006年初頭の時点で
クレジット・バブル崩壊を予想していた
草野グローバルフロンティアの草野豊己代表に見方を聞いた。

 ――現状をどう分析するか。

 日本の1990年代の金融危機と全く同じ構図に見える。
今回のリーマンの破綻は山一証券の破綻になぞらえることができるし、
ファニーメイ、フレディマックの救済は、住宅金融専門会社(住専)への支援と
だぶって見える。AIGの危機に際しては、千代田生命保険など生命保険の
経営破綻を想起した。
また、バンク・オブ・アメリカとメリルリンチが合併するのは、
山一証券の破綻からしばらくして住友銀行と大和証券が法人向け証券会社を
共同出資で設立するのを決めた構図と似ていると思った。
 
 政策面でも既視感がある。米連邦準備理事会(FRB)の実質マイナス金利
政策は日銀のゼロ金利政策に対応するし、FRBの受け入れ担保債券の要件緩和
は、銀行から株式までも買い取った日銀の対応と類似する。


――日本の経験を踏まえると、次には何が起こるか。

 日本では証券会社を助けに入った大手銀行自身が資本不足となり、
99年になって公的資金が入った。これと同じようなことが起こるのではないか。
シティグループやUBSに公的資金が入るような展開が早ければ年内にも想定
されると見ている。米連邦公開市場委員会(FOMC)が今回、利下げしなかった
のは10月に利下げする“バッファー”を残しておくためだろう。


――米政府の対応をどうみるか。

 危機の進ちょくスピードと比べ、決して迅速とは言えない。
後手後手に回っている観がある。日本では96~97年に不良債権問題が起こって
から、99年に銀行へ公的資金を注入するまで3年を要したが、
今は同様なことが半年で起きうる。
レバレッジ(テコ)のかかったエキゾチック(複雑で難解)な金融商品が
市場を支配しているためだ。


――2006年初頭の時点でクレジット・バブル崩壊を予想、2007年6月に
米ベアー・スターンズ傘下のヘッジファンドが破綻した際にも
「バブルの終わりの始まりに過ぎない」と指摘した。

 デリバティブ市場に身を置いてきた者からすると当然のことだ。
1990年代までの危機と異なり、今回の危機はデリバティブでレバレッジ(てこ)
が何倍にもかかった点で、「21世紀型の金融危機」と言える。
株式や債券の現物など、いわゆる“プレーン・バニラ”が支配していた時代の
モノサシでは測れないことが起きている。

“プレーン・バニラ”しか食べない個人投資家も、
デリバティブやヘッジファンドのことを知らないと、
相場の大きなうねりに巻き込まれ、痛手を被る時代になったと見ている。
                           (以上、引用終わり)
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・運用のプロの皆様にとっては既知のお話でありますが、
 私のようなドメスティックな三流アナリストにとっては面白い一冊。

・草野氏がインタビューの末尾で述べた問題意識がこの本に集約されている、
 ってところでしょうか。
 強欲資本主義の「舞台裏」をデリバティブ、ヘッジファンドの視点から
 分かりやすく解説されていると思います。数字を使って説明されているためか、
 首肯できる個所は多かったです。


・最終第四章では、
 「エキゾチック(複雑で難解)金融に目覚めよ!日本」ということで、

   「グローバルに目覚めよ」
   「クロスマーケットに目覚めよ」
   「エキゾチック金融に目覚めよ」
 と提言されております。

 目覚めよ!といわれなくとも、さすがに鈍感な私もかような暴力的な相場の
 前では、往復ビンタで“目が覚めた”状態になっております。

 しかし、「目覚めたけれど、一般庶民は次はどうすればいいの・・・・・」
 という素朴な疑問が、すっきりしない読後感をもたらしております。
 著者の次回論考に期待するとしますか。 


 ただ当面に関しましては・・・・・・
 著者が「CDS危機」4つのステージの、第4ステージ。
 すなわち、資産劣化が著しいCDOなどを抱えるヘッジファンドの処理
 が残されております・・・・・・。
 
 まだまだ、修羅場が続くと見て間違いないでしょうね。
  




+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++

本日の1曲。

直球ド真ん中。

郷ひろみ「2億4千万の瞳 -エキゾチック・ジャパン-」


「エキゾチック・ジャパン」という意味、今でもよくわかりません。まさに複雑で難解・・・。

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