有力企業の決算発表が相次いだ27日、そのドサクサに紛れるかのように
ヤマダ電機が業績予想の下方修正を発表。
2012年3月期の連結経常利益は前期比▲26%減の1,022億円と3期ぶりの減益となります。
従来予想は2%増の1,400億円としていたことから大幅な修正と言って良いでしょう。
主な理由は、エコポイントの終了と地上デジタル放送特需の剥落でテレビ販売が落ち込んだ等とのこと。
テレビの販売不振は周知の事実であり、同業他社が軒並み下方修正を出しており、ヤマダについてもすでに相場に織り込まれていたのでしょうが、プライドの高いヤマダのことですから、投資家の関心が始まった期に移っているこの時期まで引っ張って、株価への影響を少しでも和らげようとしているかも知れません。
何やら、ゼンショーっぽいIR手法ですよね。
ただ、このリリースを見て、
先日2年ぶりにお会いした、さる著名アナリストA氏の発言を思い出しました。
席上「dancingさん、ヤマダの第3四半期決算がちょっと解せないんですよね…」とポロッと一言。
以前よりヤマダに問題意識を持っていて、しかもネタに困っていている私が聞き逃すワケがありません。
その時は時間が十分取れなかったことと、自分なりに数字を見て評価すべきとの考えから
敢えてその理由までは聞き出しませんでした。
しかし、第3四半期決算と直前の第2四半期業績の差額を取って見てみると、
私にも違和感が生じました。
「何で、粗利益率がこんなに改善したのだろう?」
まず第3四半期(以下、四半期=Qと記載)だけの連結業績を書き出すと、こんな感じ。
売上高 4,438億円
粗利益 1,213億円
(粗利益率 27.3%)
販管費 940億円
営業利益 273億円
これだけ見ても相場感がつかめないでしょうから
参考数値を紹介しますと、2Q累計では25.0%、前年通期で23.5%、前年の3Qも23.7%。
まぁ、7月までの地デジ特需などもあったのですから25%台は出ても特段の違和感はない。
しかしなぜ、特需が消えた3Qに粗利益を27%台まで上昇させることができたのでしょうか?3Q短信を見ても特段納得のいく理由は示されていません。説明会資料も一般には開示されていませんし。
ついでながら、今回の業績予想下方修正を受けて、第4四半期の粗利益率を推定してみますと・・・・
営業利益は会社側の修正予想で889億円、
推定販管費は、3Q実績値2,774億円に、さらに1期分として3Q実績940億円を加えて3,714億円。
推定粗利益は889+3,714=4,603億円
会社新予想の売上で割ると、通期の粗利益率は推定25.1%。
4Qだけに限ると22.9%。確かに足元では採算は大きく悪化しています。
売上約5千億円で粗利益率で2ポイント変わりますと100億円、利益の変動要因となります。
監査法人も当然、問題意識を持ってしっかりチェックされているのでしょうから、どうこう言うつもりはありませんが、
常識的に考えれば、粗利益率が3Qから悪化していても何ら不思議ではなく、ヤマダの処理には違和感あり、と書かせて頂きます。
もっとも、私の指摘が全く的外れである可能性もありますので、あくまで門外漢による邪推ということでご笑納下さい。
(また、事情を知る方からのご指摘等もあればよろしくお願いします。)

ヤマダ電機が業績予想の下方修正を発表。
2012年3月期の連結経常利益は前期比▲26%減の1,022億円と3期ぶりの減益となります。
従来予想は2%増の1,400億円としていたことから大幅な修正と言って良いでしょう。
主な理由は、エコポイントの終了と地上デジタル放送特需の剥落でテレビ販売が落ち込んだ等とのこと。
テレビの販売不振は周知の事実であり、同業他社が軒並み下方修正を出しており、ヤマダについてもすでに相場に織り込まれていたのでしょうが、プライドの高いヤマダのことですから、投資家の関心が始まった期に移っているこの時期まで引っ張って、株価への影響を少しでも和らげようとしているかも知れません。
何やら、ゼンショーっぽいIR手法ですよね。
ただ、このリリースを見て、
先日2年ぶりにお会いした、さる著名アナリストA氏の発言を思い出しました。
席上「dancingさん、ヤマダの第3四半期決算がちょっと解せないんですよね…」とポロッと一言。
以前よりヤマダに問題意識を持っていて、しかもネタに困っていている私が聞き逃すワケがありません。
その時は時間が十分取れなかったことと、自分なりに数字を見て評価すべきとの考えから
敢えてその理由までは聞き出しませんでした。
しかし、第3四半期決算と直前の第2四半期業績の差額を取って見てみると、
私にも違和感が生じました。
「何で、粗利益率がこんなに改善したのだろう?」
まず第3四半期(以下、四半期=Qと記載)だけの連結業績を書き出すと、こんな感じ。
売上高 4,438億円
粗利益 1,213億円
(粗利益率 27.3%)
販管費 940億円
営業利益 273億円
これだけ見ても相場感がつかめないでしょうから
参考数値を紹介しますと、2Q累計では25.0%、前年通期で23.5%、前年の3Qも23.7%。
まぁ、7月までの地デジ特需などもあったのですから25%台は出ても特段の違和感はない。
しかしなぜ、特需が消えた3Qに粗利益を27%台まで上昇させることができたのでしょうか?3Q短信を見ても特段納得のいく理由は示されていません。説明会資料も一般には開示されていませんし。
ついでながら、今回の業績予想下方修正を受けて、第4四半期の粗利益率を推定してみますと・・・・
営業利益は会社側の修正予想で889億円、
推定販管費は、3Q実績値2,774億円に、さらに1期分として3Q実績940億円を加えて3,714億円。
推定粗利益は889+3,714=4,603億円
会社新予想の売上で割ると、通期の粗利益率は推定25.1%。
4Qだけに限ると22.9%。確かに足元では採算は大きく悪化しています。
売上約5千億円で粗利益率で2ポイント変わりますと100億円、利益の変動要因となります。
監査法人も当然、問題意識を持ってしっかりチェックされているのでしょうから、どうこう言うつもりはありませんが、
常識的に考えれば、粗利益率が3Qから悪化していても何ら不思議ではなく、ヤマダの処理には違和感あり、と書かせて頂きます。
もっとも、私の指摘が全く的外れである可能性もありますので、あくまで門外漢による邪推ということでご笑納下さい。
(また、事情を知る方からのご指摘等もあればよろしくお願いします。)