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監査厳格化 06夏秋コレクション

2006-11-03 | 会計・株式・財務
3日の日経の企業財務面に「監査の厳格化、決算に波紋」という
記事がありました。

最近の監査厳格化事例をまとめていたので、
(自分のために)簡単に整理。その後、簡単なコメントを少々。

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■監査厳格化 関連事例■

(会社名、監査法人、指摘内容・影響の順に記載)

①USEN(トーマツ) 

のれんや映像使用権を損失処理し、最終赤字▲88億円へ。
監査法人を三優へ変更。


②インデックス(明和)

昨年130億円で買収した中国企業2社の収益低迷を受け、
60億円ののれんの減損損失を計上、最終減益に。


③F&Aアクア(みすず)

8月中間期の業績予想を上方修正から約1週間後、下方修正へ。
繰延税金資産の回収可能性の評価を厳格化した結果、
一部取り崩すことが理由。


④さが美(みすず+個人)

前期に新規連結した子会社の売上基準を、
本体と同様に保守的な基準に変更した結果、特別損失が発生。


⑤NEC(新日本)

米国監査基準に基づく追加の監査手続きの大幅な遅れ。


⑥双日(あずさ+新日本)

両監査法人の意見が合わず、新日本が期中にもかかわらず辞任。


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(簡単なコメント)

①F&Aアクアについては、先日の日経金融新聞で、
 監査法人側の判断の迷走ぶりを紹介しておりましたが、
 同社においてはIRをしっかりやっていたこともあって
 投資家サイドにも大きな混乱がなかったようですね。


②で、何といってもUSEN。
 監査法人の変更。三優関係者には大変失礼ですが、
 これはバレバレの「オピニオンショッピング」ですよね。

 先日コメントしたように、USENは財務的にかなり傷んでいます。
 連結自己資本はH18/8末で506億円ですが、連結調整勘定(のれん)残高は
 減損処理をした後でさえ780億円もあります。

 あくまで仮定の話ですが、全額を一気に減損!となると
 即、債務超過となってしまうレベルですから。

 今後ものれんの減損リスクには留意すべきでしょうし、
 半ば衆人環視の下、三優監査法人がどういう手綱さばきを見せてくれるのか
 注目してみましょう。


なお、4日(土)の記事更新はお休みします。あしからず。

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