またまた興味深い本が出ましたので、ご紹介と少々の雑感コメント。
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<AMAZONの内容紹介より>
日興コーディアルグループ、日本航空、NOVAの決算数字を俎上に乗せ、
中央青山監査法人を筆頭とした大手監査法人の現状にも舌鋒鋭く迫る。
2007年2月、みすず監査法人(旧中央青山監査法人)の解散が発表された。
日興コーディアルグループが、粉飾決算に関連して証券取引等監視委員会
から史上最大の5億円の課徴金処分を勧告され、特別調査委員会が監査を
担当した旧中央青山監査法人が事件に組織的に加担していたと
報告書で明らかにしたことがきっかけとなった。
日興コーディアルグループの「粉飾」を最初に暴いたのは誰か。
それは、本書の著者、細野祐二氏である。
氏は前著『公認会計士vs特捜検察』で詳述したように、
キャッツ事件に絡み、粉飾容疑の共犯として逮捕、拘留され、
一、二審敗訴後、最高裁に上告中の身である。
自身が会計士のプライドを賭して「粉飾ではない」と裁判で論証しても、
「国策捜査」の壁は極めて厚いのが現実である。
そこで、会計学の研究の一環として「粉飾」の研究に取り組んだ。
その最初のターゲットとなったのが、
日興コーディアルグループの決算だった。
2005年12月、会員向けレポートに発表した「疑惑の特別目的会社」は、
その後、メディアに大きく取り上げられ、国会質問にまで至り、
ついには4大監査法人の一角であるみすず監査法人の解散に至った。
英米ではフォレンジックと呼ばれる公認会計士の専門業務がある。
法廷での会計学である。
本書のタイトルには、著者がわが国初の法廷会計学を駆使して
真実を明らかにしたとの自負が込められている
(以上、引用終わり)
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○以下、雑感コメント。オチはありません。
・私もさっそく丸善丸の内店で購入、セミナー兼サイン会の整理券も
ゲットしました(またかよ~)。
・細野先生のレポートが結果として日興シティと中央青山を追い込みました。
公表情報を組み合わせて新たな事実を浮かび上がらせる分析力、
誰にでもできそうで出来ないんですよね。・・・・これが。
実績も兼ね備えた粉飾分析に関する第一級の書籍だと思います。
・しかし、少々気になる点もあるのも事実でして・・・・
誠に僭越ながら申し上げますと・・・・。
①素朴な疑問として、数千ある上場会社の中で、
当時誰も見向きもしていなかった「日興コーディアル」を
なぜ分析対象にしたのか、そこのスクリーニングのプロセスを
知りたいですよね。(再現性あるの?)
(→追記:コメント欄に経緯が書いてあります。)
②もっと事例が多いとなお良かった。
(本書では、日本航空、ライブドア、NOVA
・・・とどちらかというと後付け分析。
有料会員レポートでは「オリックス」も分析しており、
その結果も拝見したかったです。
何やっているか良く分からない会社なので。
ついでに「ソフトバンク」も是非分析して下さい。)
③日本航空の実態バランスシートの計算は、
取引金融機関は自己査定上必ずやっている話なので、
どの部分が「法廷会計学」を指すのかは少し判然としませんでした。
(すいません、読解力が無くて・・・・)
④日本航空に関しては、減損処理逃れのためと推定される
04/3期のセグメントの変更
(リゾート事業をカード事業などと統合)
↓
06/3期のセグメント再変更
(カード事業の分離と、リゾート事業からの減損損失▲180億円発生)
・・・とまぁ、2年後にはあるべき処理に戻したのですが、
減損損失計上の露骨な先送り(の可能性)についても
コメント頂きたかったですけどね。
⑤そして思いっきり蛇足ですが、先日の拙稿で触れた
「ヤ○ダ電機のポイント引当金」についても
法廷会計学の見地から是非コメントを頂きたいものです。
・・・・・とまぁ、今後の分析と著作に大いに期待する次第です。
法廷会計学vs粉飾決算細野 祐二日経BP社このアイテムの詳細を見る |
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<AMAZONの内容紹介より>
日興コーディアルグループ、日本航空、NOVAの決算数字を俎上に乗せ、
中央青山監査法人を筆頭とした大手監査法人の現状にも舌鋒鋭く迫る。
2007年2月、みすず監査法人(旧中央青山監査法人)の解散が発表された。
日興コーディアルグループが、粉飾決算に関連して証券取引等監視委員会
から史上最大の5億円の課徴金処分を勧告され、特別調査委員会が監査を
担当した旧中央青山監査法人が事件に組織的に加担していたと
報告書で明らかにしたことがきっかけとなった。
日興コーディアルグループの「粉飾」を最初に暴いたのは誰か。
それは、本書の著者、細野祐二氏である。
氏は前著『公認会計士vs特捜検察』で詳述したように、
キャッツ事件に絡み、粉飾容疑の共犯として逮捕、拘留され、
一、二審敗訴後、最高裁に上告中の身である。
自身が会計士のプライドを賭して「粉飾ではない」と裁判で論証しても、
「国策捜査」の壁は極めて厚いのが現実である。
そこで、会計学の研究の一環として「粉飾」の研究に取り組んだ。
その最初のターゲットとなったのが、
日興コーディアルグループの決算だった。
2005年12月、会員向けレポートに発表した「疑惑の特別目的会社」は、
その後、メディアに大きく取り上げられ、国会質問にまで至り、
ついには4大監査法人の一角であるみすず監査法人の解散に至った。
英米ではフォレンジックと呼ばれる公認会計士の専門業務がある。
法廷での会計学である。
本書のタイトルには、著者がわが国初の法廷会計学を駆使して
真実を明らかにしたとの自負が込められている
(以上、引用終わり)
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○以下、雑感コメント。オチはありません。
・私もさっそく丸善丸の内店で購入、セミナー兼サイン会の整理券も
ゲットしました(またかよ~)。
・細野先生のレポートが結果として日興シティと中央青山を追い込みました。
公表情報を組み合わせて新たな事実を浮かび上がらせる分析力、
誰にでもできそうで出来ないんですよね。・・・・これが。
実績も兼ね備えた粉飾分析に関する第一級の書籍だと思います。
・しかし、少々気になる点もあるのも事実でして・・・・
誠に僭越ながら申し上げますと・・・・。
①素朴な疑問として、数千ある上場会社の中で、
当時誰も見向きもしていなかった「日興コーディアル」を
なぜ分析対象にしたのか、そこのスクリーニングのプロセスを
知りたいですよね。(再現性あるの?)
(→追記:コメント欄に経緯が書いてあります。)
②もっと事例が多いとなお良かった。
(本書では、日本航空、ライブドア、NOVA
・・・とどちらかというと後付け分析。
有料会員レポートでは「オリックス」も分析しており、
その結果も拝見したかったです。
何やっているか良く分からない会社なので。
ついでに「ソフトバンク」も是非分析して下さい。)
③日本航空の実態バランスシートの計算は、
取引金融機関は自己査定上必ずやっている話なので、
どの部分が「法廷会計学」を指すのかは少し判然としませんでした。
(すいません、読解力が無くて・・・・)
④日本航空に関しては、減損処理逃れのためと推定される
04/3期のセグメントの変更
(リゾート事業をカード事業などと統合)
↓
06/3期のセグメント再変更
(カード事業の分離と、リゾート事業からの減損損失▲180億円発生)
・・・とまぁ、2年後にはあるべき処理に戻したのですが、
減損損失計上の露骨な先送り(の可能性)についても
コメント頂きたかったですけどね。
⑤そして思いっきり蛇足ですが、先日の拙稿で触れた
「ヤ○ダ電機のポイント引当金」についても
法廷会計学の見地から是非コメントを頂きたいものです。
・・・・・とまぁ、今後の分析と著作に大いに期待する次第です。
いつも楽しく拝読しております。
さて、①の疑問については、私も読みながら不思議に思っていたのですが、本書P136にレポート読者からの依頼された・・・と書かれていました。
細野氏でも「分析におよそ1ヶ月を要しながらも、その実態は解明できなかった。」とありますので、dancing-ufoさんのおっしゃる通り、「誰にでもできそうで出来ないんですよね。・・・・これが。」ですね・・・。
丸善のセミナー、行きたいのですが、仕事の都合で行けません。このブログで是非御報告お願いします!
いつもお世話になります。
早速のコメントありがとうございました。
p.136に確かに書いてありました。
この部分は思いっ切り
飛ばし読みしてましたね。
私も7/9の講演会は出れるか微妙ですが
がんばってみます。
(2日前には勝間さんのがあるし・・・・)
引き続きよろしくお願いします。
会計のことはよくわからないのですが、私もオリックスが気になります。
以前、パチンコ業界向けの融資の焦げ付きの噂で株価が暴落しましたが「序章」のような気がしてなりません。この会社はいろいろと怪しい噂もありますし・・・
有料会員レポート読んでみたいですね★