◆「財務アナリストの雑感」 2024◆

会計士兼アナリストによる屈指の歴史だけがウリの会計・財務・株式・金融ブログ。異常な経済金融環境を一刀両断!できるかな?

ソフトバンク「予想外割」への反論に思う

2006-10-27 | 会計・株式・財務
いつもご覧下さり誠に有難うございます。

さて先日のソフトバンク「予想外割」発表を受けて、
ドコモとKDDIが反撃開始。まずは朝日新聞の記事。
続いてコメント。

--------------------------------------------------
ドコモとKDDI「ウチが安い」 ソフトバンクに反論
2006年10月27日(金)22:19

 携帯電話の番号持ち運び制のスタートを機に
業界3位のソフトバンクモバイルが始めた新料金プランの
広告手法に対して、NTTドコモの中村維夫社長が27日の
記者会見で「フェア(公正)かどうか疑問が残る」と批判した。
KDDI(au)も「標準的な利用者なら割高になる」
と主張しており、上位2社がそろってソフトバンクにかみついた。


 ドコモの中村社長が批判したのは、通話やメールが定額料金
になるソフトバンクの新サービスの広告。
夜間は例外になるなどの制約が、小さな字になっている点を問題視した。

 料金そのものも
「平均的な利用者なら、ソフトバンクの定額制に負けるプランは一つもない。
追随するつもりは全くない」と主張。
同内容のサービスをドコモより210円安くする別プランについても、
料金明細を送る手数料やネット接続サービスの基本利用料がドコモの方が安く、
ソフトバンクが示すような差はつかないと指摘した。

 KDDIも27日、ソフトバンクの定額制のキャンペーン基本使用料
(2880円)でも、ソフトバンク加入者同士の通話時間が全体の7割以上に
ならない限り、auの一般的な料金プランより割高になるとの分析結果を
明らかにした。
「ソフトバンクから他社への通話料金が、auの料金より割高なため」
(KDDI広報部)という。

-------------------------------------------------------------
(コメント)

①ソフトバンクの「ブループラン」(ドコモより210円安)ですが、
 敷衍しますと、
  ・ソフトバンクは請求書を郵送する場合に手数料を105円とる,
  ・これに対し、ドコモは郵送でもインターネット上の明細確認でも無料。
  ・郵送なしならさらに105円割引する。
  ・また、ドコモの「iモード」の月額基本料は210円だが、
   ソフトバンクは315円かかる。

 これだけで「210円安」は帳消しになることになる、とのことです。
 まっ、数字のマジックのようなものでのしょうか。
 

②で、この先どうなるのか?
 気が早すぎるかもしれませんが、私は、
 非常に注目される業界であるだけに、「公正取引委員会」の動きに
 注目したいと思います。
 ドコモなどの反論を見る限りでは、いわゆる「優良誤認」と
 認定されるおそれもあるからです。
 

③ソフトバンクの広告は、制約(都合の悪いこと)については「小さな字」。
 これを見て私が思ったことは、
 「これじゃぁ、ソフトバンクの決算書と一緒だ~!」ということ。

 つまり、決算数字の見栄えが良いなぁと思って財務諸表の注記を見たら、
 実は会計方針の変更(減価償却費の計上法の変更など)で
 利益をカサ上げしていた・・・・・・・・・って時に感じる失望感と
 同じような気がしてなりません。
 (ただこの手の広告は何もソフトバンクだけなく多くの企業で
  良くやっているんですけどね)

 言い換えますと、
  -広告を見るときは、欄外などの「小さな字」も見ましょう。
  -そして、決算書も損益計算書や貸借対照表の本体だけでなく、
   「注記」にも目配せしましょう。
 ってことなのでしょう。 
 
 それにしてもソフトバンク。
 携帯の広告にも、決算書にも、当社のDNAが見事に息づいている、
 ってことなのでしょうか。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 日本ハム44年ぶり日本一に... | トップ | 「あなたもCIA!」 -・... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

会計・株式・財務」カテゴリの最新記事