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会計士兼アナリストによる屈指の歴史だけがウリの会計・財務・株式・金融ブログ。異常な経済金融環境を一刀両断!できるかな?

「会計士が教える銘柄選び」に思う

2008-03-18 | 会計・株式・財務
また、会計本がでましたので簡単にご紹介。
日経新聞社からですからハクも付いております。


会計士が教える銘柄選び―業種別の攻略法はこれだ!
植松 亮
日本経済新聞出版社

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【内容】
短期的な株価の値動きではなく、企業の実力を見極めて投資する極意を、
会計士の視点から解説。業種別の投資ポイントをあわせて解説。
確実に利益を出す決め手はセグメント情報にあり。

第 I 部
  1 決算書は「お宝情報の山」
  2 最も注目度が高い「損益計算書」
  3 貸借対照表はリスク情報の発信基地
  4 キャッシュフロー計算書は嘘をつかない
  5 扱いは「注記」だけど決算書より役立つ「セグメント情報」

第 II 部
  6 決算分析の5つのポイント
  7 成長ステージ別に投資スタンスを変える
  8 最低限マスターしたい株価分析の指標
 
第 III 部
  9 PART1 国内を中心に活躍する企業
 10 PART2 海外で稼ぐ企業の注目点
 11 PART3 資源・エネルギー・食品系企業
 12 PART4 特殊な決算書の見方
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ナナメ読んだ印象ですが、基本に忠実でオーソドックス。
「業種別のポイント」は類書に無いところなので狙いは非常に良いと思いました。
ご興味のある方はどうぞ。
こういう形で会計本もどんどん進化していくのでしょうか。



で、この本のウリである「セグメント情報」。
確かに有用な情報だと思いますが、中にはヘンなものもありますのでご注意を。

具体的には、こんなケース。ちょっと極端ですが。
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                        (単位:億円)                
     A事業部門 B事業部門 C事業部門  全社・消去  合計
営業利益   25     30     35     ▲35    55
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要は、事業部門に配賦できない全社・消去費用が多すぎるケース。


仮にこの費用を合理的に配分できたとしますと、
実はA事業やB事業が営業赤字であった!ってこともあるかも知れません。

ではなぜ、こんな配賦をするのか。
これはあくまで1つの可能性ですけど、固定資産の減損会計適用逃れ
ってこともあるのかな。と


つまり、各セグメントで営業利益が出ているようにして
「減損の兆候」要件に当たらないようにするってこと。


しかし実際問題として、本社経費をある程度配賦できないと、
その会社でも本当に設けている事業が判っていないのではないか?と思いますけどね。


そういう意味からも
全社・消去と合計利益とのバランスは要チェックだと思います。


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