音楽プロデューサー、作詞家、作曲家、音楽ライターである松尾潔さんが書き下ろした新作「永遠の仮眠」です。
最初題名についてピント来なかったのですが、読み終えると納得しました、
音楽プロデューサーとして楽曲を先様に提出するまでの苦悩と関係者との軋轢で
熟睡することもままならない心境が全編に書かれています。
名のある音楽プロデューサーでもフリーランスとしての不安定な葛藤が垣間見れます。
小説ですが、私小説であるので松尾潔さんの私生活を知ることが出来ました。
既婚者で奥様は元フリーアナウンサでお子さんは1人で不妊治療により授かったこと、
住んでいるのは都内のマンション、車はビンテージカー、プライベートスタジオを持っている、
事務所は「Never Too Much Productions」の代表ですが、実態はは個人事務所でした、
現在のマネージメントは「株式会社スマイルカンパニー」です。
上記内容は小説からの推測です。
自分との共通点は山下達郎です、小説にも出てくる一文では
「山下達郎がこんなことを言っていた。彼がプライドを失うことなく作ってきた商業音楽は、
平和で安定した世の中でこそきちんと発表できるし、聴いてももらえるのだと」
山下さんがサンディサングブックでよく言われている言葉です。
これがこの小説の後に展開されていることは読み終えて分かりました。
それと山下さんは「サンディサングブック」を止めたいとは一度も思ったことはない、
松尾さんも現在ラジオ番組「松尾潔のメロウな夜」を持たれていますが、多分同じ気持ちであると思います。
音楽プロデューサーの立ち位置に着いても小説の中で持論を展開されていて、納得しました。
音楽ビジネスは大変厳しい世界ですが、音楽を愛している根幹は変わらない事が隅々まで読み解くことが出来ました。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます