【星模様】
窓のない部屋で壁の星模様をなぞっていた。
壁には砕けた星の欠片が埋め込まれていて
暗い部屋で仄かに光った。
土星の人と別れた時刻を幾度もそこに刻むのだが
そのたびに異なる数列が並ぶ。
別れは完璧に近い業だったのだ。
それを誉むならば
ここに時空を刻むことも灯りになりはしないかと。
flake29『星模様』
窓のない部屋で壁の星模様をなぞっていた。
壁には砕けた星の欠片が埋め込まれていて
暗い部屋で仄かに光った。
土星の人と別れた時刻を幾度もそこに刻むのだが
そのたびに異なる数列が並ぶ。
別れは完璧に近い業だったのだ。
それを誉むならば
ここに時空を刻むことも灯りになりはしないかと。
flake29『星模様』