【暗夜】
暗夜にだけ聞こえるメロディーがあった
おそらく隣室の
名も知らない誰かが奏でているのだ
たまに見かけるあの人は
大きな楽器のような荷物を背に負っている
あれは
ひと筋の灯りさえ見えぬ嘆きに舞っているような背なのだ
夜のハザマに深く沈み
交わることのないわたしたちへの旋律のような
drop29『暗夜』
暗夜にだけ聞こえるメロディーがあった
おそらく隣室の
名も知らない誰かが奏でているのだ
たまに見かけるあの人は
大きな楽器のような荷物を背に負っている
あれは
ひと筋の灯りさえ見えぬ嘆きに舞っているような背なのだ
夜のハザマに深く沈み
交わることのないわたしたちへの旋律のような
drop29『暗夜』