【無数】
池のほとりで大きな籠を背負ったキツネに出会った
籠の中には細かく千切られた紙切れが入っている
重そうですねと声をかけると
これらはすべてさよならを書いた手紙ですよ
と言いながら
キツネは籠の中身を池に撒いた
紙吹雪は束の間宙を舞い水に沈んだ
底は深く濃く
別れの無数が眠る
drop5.『無数』
池のほとりで大きな籠を背負ったキツネに出会った
籠の中には細かく千切られた紙切れが入っている
重そうですねと声をかけると
これらはすべてさよならを書いた手紙ですよ
と言いながら
キツネは籠の中身を池に撒いた
紙吹雪は束の間宙を舞い水に沈んだ
底は深く濃く
別れの無数が眠る
drop5.『無数』