【気泡】
港の待合で魚は船を待っていた。
魚は泳げない。
なので船に乗り、海を渡る。
魚が好む気泡水を買い求め
待合の椅子に座って一緒に飲んだ。
待合の窓から見える流星を数え
気泡水を口に含む。
出航の時間、
「泡ひとつ消える間に、おおかたの星は流れて見失われます」
誰にともなく魚はそう言い、船の中に姿を消した。
港の待合で魚は船を待っていた。
魚は泳げない。
なので船に乗り、海を渡る。
魚が好む気泡水を買い求め
待合の椅子に座って一緒に飲んだ。
待合の窓から見える流星を数え
気泡水を口に含む。
出航の時間、
「泡ひとつ消える間に、おおかたの星は流れて見失われます」
誰にともなく魚はそう言い、船の中に姿を消した。