仙台のMTBショップDimensionの日記

プレッシャーがかかるからやりたくない仕事

他店でオーダー・組み立てしたバイクは、組んだ方の想いもありますし、私のような他人が気軽に組み替えるというのは申し訳ないので、あまりやりたくない仕事になります。

しかしながら、オーダーしたときと現時点では、オーナーの好みや乗り方が変わったりして、必ずしもマッチングが取れているとは言えない場合もあるので、そういう時はオリジナルを出来るだけ尊重しながらも、変更を加えていくことになります。
そして、今回はとてもマニアックで手が込んだバイクの組み換えです。
クランクは初代XTRというお宝物、RDもMTB用のゲージのみロード用のSSゲージに交換した文字通りスペシャルなバイクです。
オーナーの要望を聞くとドライブトレインの大刷新が必要なのは明白なので、これらのアイコン的パーツを交換しないといけません。
初代XTRはレトロで美しいカーブを持つクランク、今回の要望をかなえるスペックを持ったクランクにこのようなものが無いので、どうにかして雰囲気を保たせる必要があります。
使用しているパーツは銀と黒、それも銀はカラーではなく金属の色そのものなので、最近のシマノのシルバーは質感が違うので使えません。
リアディレーラーも9速でやらないといけない、リアのスプロケットはロード用と、なかなか厳しい条件です。頭を悩ませました。
リア9Sをまもらなければならないので、使えるRDは限られますし、フロントスプロケットの歯数もシマノじゃ作ってないゾーンです。
さらにバッシュガードもご用命なので、とても限られた組み合わせしか存在しません。

で、バイクのイメージを壊さず、かつ同じものではない新しいものになるようにパーツをチョイスしました。
思い切ってもともとの銀と黒の組み合わせをひっくり返す作戦で、クランクとRDを黒に、そしてバッシュガードを銀にしました。
そうすることで、落ち着いた雰囲気を維持して、レトロとハイテクを同居させようと考えました。
結果的には元々とはちょっと指向する方向が変わったとはいえ、これはこれでかなり格好良いんではないかと満足しています。
でも、元々のバイクを組んだ方への申し訳なさはやっぱりありますね。あれだけ手間をかけたバイクとなると。
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