初めてファットバイクを手に入れたのは2012年の冬だったと思いますが、そのころはやっぱりまだまだとりあえず太いタイヤを履いたバイクを作ってみたと言う感じで、操縦性を突き詰める段階には来ていませんでした。
しかし、とうとう操縦性だけではなく、ファットバイクの弱点であるQファクターを小さくし、それでも接地面積を稼ぐ為に直径を大きくして、最後にはジオメトリーを信じられないほど戦闘的にしてあります。このフロントが長くリアが短い佇まいちょっとすさまじいですよ。

あくまで実戦のために進化してきたバイクですので、全てにおいて隙が無いつくりです。
まずわかりやすいのはハンドル高が非常に低く抑えられていると言う事ですね。
26インチバイクのような高さです。
フォークに余計な長さを与えず、最小限の長さで作っているために可能な高さですね。
ヘッドチューブも短く、ヘッドセットもショートカバータイプにして徹底的にハンドル高を低くしてあります。
XCレーサーですからここら辺は当然ですね。しかし、なかなかこのレベルで達成しているバイクはありません。

シートチューブを湾曲させてリアセンターを短くする手法はどこでもやっておりますが、なんと434mmしかありません。もう26インチXCバイクと同じ長さですよ。
29+相当の外径を持ったタイヤとは思えない長さです。
BBはタイヤの外形が大きいためにかなりドロップしています。
BBが大きくドロップしているとバイクを動かすのが大変になると思われておりますが、最近のライディングスキルはここらへんの問題を解消するものが沢山あるので、このバイクを乗りこなせれば問題にならないでしょう。

実はリムがかなり進歩しており、穴は開けられているもののそれはかなり小さなものです。
チューブレス化するにあたり、大きな穴が空いているとリムフラップが剥がれやすくなり頻繁に張替えを余儀なくされますので、穴は小さい方が性能が安定します。
ここらへんも実戦を経て最適化されてきたと考えるべきでしょう。
ファットバイクももうチューブレス前提になってきましたからね。

最後にQファクターですが、本当にナローBBを使用しています。
超ショートリアセンター、ナローQファクターと言う難題を解決させる為にチェーンステーの形状が凄いうねってますし、各部クリアランスは相当に詰められています。
こりゃ凄いです。
フロントに余り大きなスプロケット付けられないですし、実際にフレームはしなって動きますから相当綿密に計算し、実走テストを繰り返したのだと思います。
コンポーネントも必要十分、リアハブは豪華にもSUNRINGLE、フォークにはエニシングケージの台座、ブレーキもきちんと容量を上げてありますし、全然隙がありません。
そして価格はロッキーとは思えない24万円!
このバイク実は7月に事前予約したショップにしか入荷しない代物なので、ロッキー取り扱いの有名店にしか入荷してないと思います。
うちも負けてられねえとばかりに仕入れちゃってますが、早くも雪のうえで乗ってみたくて仕方ありません。
どれほどの浮力と走りやすさを発揮してくれるでしょうか。