仙台のMTBショップDimensionの日記

ダンパーの構造


古いMANITOUのフォークをオーバーホールしました。
このフォークのダンパーのピストンは教材としてはまたとないほど分りやすい構造だったので、せっかくなので見てみましょう。


右からピストンのヘッド(すみませんこの部品の名前を知りません)
シム(真ん中のワッシャーみたいな奴です)
ピストンロッド となります。
このピストンに開いている穴とピストンの直径がダンパーシリンダーより細いことを利用してピストンヘッドの外側をオイルが通ります。
しかし、縮み側と伸び側のスピードを変える為、シムによってオイル流路は一方通行にされているのです。

ピストンが上に動くとき(縮み側)、オイルは下に動きます。分りづらいですが、シムは上からの力はたわんで受け流すようになっています。つまり隙間が出来てオイルがそこから通ります。
しかし、下から上にオイルが流れようとすれば、シムはピストンヘッドが邪魔して変形できませんので、オイル流路を遮り続けます。だからこのピストンの場合は縮みより伸びのほうが遅く動くことになります。
 ここまでは構造の話ですが、ここからは実際に調子良いのかどうかという話です。
実際に伸びるときにここまで流路を塞いでしまうと、戻りが遅すぎて全然問題外です。

だから、シムに穴を開けちゃいました。ここら辺のノウハウはラジコンにて培っています。あの超高級ラジコンは無駄ではありません。
これによって伸びるときのオイル流路を確保しているので、伸びが速くなりました。
ちょうどいい塩梅です。
最近のサスペンションは最初から素晴らしい動きをしてくれるのでこのようなことをする必要は全くありません。あくまでも昔の完成度が低かった頃のものなので改造が有効になっています。
しかしながらもちろんこのような改造をすれば保証はもとより、それに伴う事故等についても誰も責任を取ってくれませんので、真似する場合自分のケツは自分で拭いてください。
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