ランボーの『もう言葉なんていらない』を訳したことがあるとイチ子が言っていたのを思いだしたのは、昔、彼女が反故にした原稿を放り込んでいた古い旅行用トランクの中身を整理したときのことだ。 それらしい原稿が目にとまった。 『夏の蒼い夕暮れに小径を行こう』とか、 『静かな暗い波の上に星々は眠る』とかが、パスポート・サイズの洋紙に一行ずつ丁寧に記してあった。 【Alan Parsons Symphonic Project - Don't Answer Me】