「あなたって、それほど野球が好きってわけじゃないわよね」とイチ子。
「子供の頃はそんなことなかったよ。東京の子だから巨人ファンだったし...。でも、巨人の四番が長嶋だった頃までかな」
「なぜ、それっきりになっちゃったの?」
「その後、長嶋が年取って打率が落ちてきて、オリンピックのあった頃から、次第に王が四番を打つようになったんだ。でも、ぼくの考えじゃ、巨人って長嶋が四番を打つチームのことで、三番長嶋、四番王では、もう巨人じゃないんだ。そんなんで、ぼくの中では、もうそれっきり野球は終わっちゃった」
話の切りがいいと思ったのか、イチ子は、
「さあ、靴を洗うわよ」と言うと、水道のあるバルコンの端までスニーカーを提げて行く。
屋根の風見を見る上げると、今日は、南西の風。
「今年は、テラスのペンキは連休前に塗り替えちゃうよ。早く済ませちゃわないと、すぐに暑くなるし...」とぼく。
もうそろそろ、半袖を着るのもありかなと思った。
【Calin Geambasu Band / Let's Twist Again】
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