先日、イチ子さんがどこかに電話をかけていて「水無月...」と言ったのを聞いて「ああ、もう夏至か!」と反射的に口を付いて出た。
『水無月』とは、端午の節句の菖蒲湯の習慣同様、夏至の日に京都を中心に決まって食べられる縁起物の菓子らしい。関東では趣味人を除いては其の知名度すら今ひとつ。イチ子さんは、ここ数年、立川だか八王子だかの駅ビルにある京菓子屋に電話で確認してから足を運んでいるようだ。関東圏故か少量製造で早い者勝ちらしい。その価値を認める人は、入手に奔走すると見える。
興味のある方は、機会があったら食べてみられるといい。味を文字で書くのも野暮な感じがするから食べてもらうのが一番だが、本場でも夏至の頃の数日しか作らないというから注意。