きみの靴の中の砂

あの日のヘッドコーチ

 

 

 昔、ラモス瑠偉さんがヴェルディのヘッドコーチをしていた頃の話だ。

 普段、瑠偉さんは試合中にベンチから出ることはなかったが、ある日は違った。
その日は、ベンチから出て、左右動き回り、選手に大声で檄を飛ばした。知り合いのクラブ・スタッフも普段無いことなので不思議に思ったそうだ。

 ラモスさんには、試合が終わるまで、誰にも明かさなかったことがあった。実はその日、ブラジルで母上が逝去されていた —— それを明かせば、みんなが急いでブラジルへ行けと気を使うのがわかっていたからだろう。
 だから、母のためにも、その日の試合は負けるわけにはいかなかったに違いない。

 
 
 
PVアクセスランキング にほんブログ村

最新の画像もっと見る

最近の「これくしょん」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事