きみの靴の中の砂

良いものを生み出せるかどうかは、更にそれよりずっと先のお話

米映画『オン・ザ・ロード (2021)』より





 以前、芥川賞作家の村上龍が、放送協会の番組でアナウンサーにベストセラーを量産する才能について問われ、
「才能とは『良いものを生み出す能力』ではなく、あるひとつのことに一日八時間なり打ち込んで、さらにそれを二十日間続けても「もう飽きた」などと言わずにいられる能力だと思うんですよ。良いものを生み出せるかどうかは、それよりずっとあとの問題です」と答えていた。

 誰でも子供の頃にひとつのことに熱中し、
「いい加減になさい!」と母親に叱られながらも、『飽きもせず、していられた好きなこと』があったろう。しかし、大人になるまでに、ほとんどの子供達がそれを放棄してしまう。

 ブロガーを例にとれば —— 週に何回・何文字書くかにもよるが —— 一年から三年継続できる人は、全体の二十五%程度と言われている。これを十年、あるいはそれ以上、もしくは一生という時間で計ると、初志貫徹できるのは、わずか千人に一人か二人だそうだ。
 言い換えれば、この数字が示すのは、十年以上あるいはそれ以上同じことを続けていられるのは、全体のわずか0.1~0.2%に過ぎない人達で、いわば『根気のエリート』ということになる。
 加えて良いものを生み出せるかどうかは、更にそれよりずっと先のお話 —— 文学の神様とも相談しないとならない。





【Roger Nichols & The Small Circle of Friends - Love So Fine】

 

 

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