初秋、フィッシャーマンズ・ワーフの夕暮れは、思いのほか遅い時間にやって来る。
沈みかねている夕日をながめながら、一軒のシーフード・レストランの、海に突き出た少し肌寒い硝子張りのテラスに腰掛け、熱く真っ赤に茹で上がるはずのロブスターとナパ渓谷産のシャルドネを注文する。
ところで、せっかくのロブスターの、そのセクシーなまでにはち切れそうな豊満な肉の塊を、どうしてアングロ‐サクソンは単調な溶かしバターのみで食べるのか。ぼくは、ウイスキーの空のパイント瓶に入れて持ち込んだ醤油と、その溶かしバターとを合わせ、これから熱く真っ赤になって登場してくる『彼女』を謹んで頂くことにしよう ----- 今夜、ホテルの部屋から水口イチ子へ送るメールの、気の利いた書き出しの一行でも考えながら...。
Arthur Alexander / Anna (Go to Him)
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