きみの靴の中の砂

ポケットの底に



 
 

『陽射しの乱反射』
『ロープに揺れるTシャツ』
『濃い色のサングラス』
『砂混じりの風』
『ハイビスカス色のサンダル』
『森の匂い』
『燃え残るキャンプ・ファイアー』
『真昼の通り雨』
『短い出会い』

 これら古い記憶に加え、新しい期待と予感で再びポケットをいっぱいにして、わたし達は毎年新しい夏を迎えますが、いつも秋風が吹く頃になって気付くのは、決着をつけられないまま蒼カビが生えた思い出ばかりが、再びまたポケットの底にしゃがみ込んだように取り残されていることです。

 わたし達は、それらを頭の片隅の鍵の掛かる引き出しに仕舞い込んで、また次の夏を待つことになるのですが...。

 

【EastSide Band - Don't Give Up On Us】

 

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