きみの靴の中の砂

無花果





 秋の夕暮れ、イチ子さんが、庭の硬い無花果の実を小籠に収穫していた。
 例年、油断をしていると、鳥に収穫の先を越され残念な気持ちになるのだが、運良く今年は野鳥に先んじた。司馬遷の史記にあるが如く、先んずれば即ち鳥を制すというわけだ。

                    

 硬い実はイチ子さんに一晩中砂糖で煮られ、翌日、デザートとなって、ぼく達のささやかな夕餉の最後を飾った。






【The Peppermint Rainbow - Will You Be Staying After Sunday】

 

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