前岨啓之 / プールサイド
『休暇の間、私は七時に起き、降りていって、窓を開け、お茶をいれ、庭で待っている小鳥たちのためにパンを細かく砕いてやり、顔を洗い、仕事机の上のホコリを払い、その上の灰皿の中身を捨て、バラの花を一輪切り、七時半のニュースを聞く。八時になると、母が降りてくる番だ。私は母と一緒に、朝食に、半熟の卵をふたつ、焼いたパンの丸い一切れを食べ、砂糖を入れないブラック・コーヒーを飲む。
私は十時にベッドに横になって、そのまま二冊の本をちょっと読む。一方はきわめて文学的な言語による作品(ラマルティーヌの『打ち明け話』、ゴンクールの『日記』など)で、もう一方は推理小説(どちらかと言うと古いもの)か、イギリスの(流行遅れの)小説か、ゾラである』
ロラン・バルト『彼自身によるロラン・バルト(Roland Barthes par Roland Barthes, 1975)』 ------ 『時間割(115〜中略〜116頁)』より 佐藤信夫訳 みすず書房刊
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